こんな風にトラブルを列挙してしまうと、「PTA役員って、なんて面倒くさくて恐ろしいところなんだろう…」と思ってしまいますよね。でも誤解しないでほしいのが、ご紹介したのは、「一部の」人たちの呆れた行いである、ということ。本来ならば「子どもたちのよりよい学習環境を作りたい」という志を同じくした人たちが集まっているわけですから、大多数の人は「やってよかった」「有意義だった」と答えてくださっています。

しかし、自分が本来の目的を忘れずに活動しようとしても、PTAの中にひとりでもトラブルメーカーがいれば、途端に理不尽極まりない世界になってしまいます。「PTAっていろいろ人間関係が面倒くさいらしい」「PTAに入るとろくなもんじゃない」なんて噂が広まってしまうと、ますますやり手がいなくなってしまいます。

冒頭で述べた「PTAの意義」をしっかりと理解していれば起こるはずのないトラブル。特定の人がPTAを私物化したり、自分のストレス発散の場にしたりしていいはずがありません。また、旧態依然としたPTA活動に疑問を呈する声も年々増えているのも事実です。共働きの家庭が増えた現代、PTA活動にじっくり腰を据えて向きあえる…という家庭は少ないのではないでしょうか。

不要なトラブルが起きないために、また、すべての保護者がもっと気軽にかつ積極的にPTA活動に参加したい、と思えるように、「PTAの業務効率化・見える化」が必要である…と毎年PTA役員を選出する時期が来るたびに痛感します。

令和の時代には消滅するかも?

近年、PTAを廃止する学校が徐々に増えてきています。しかし、PTAが無くなってしまうと、保護者と学校の繋がりが無くなってしまったり、保護者が学校に意見を述べる機会がなくなったり…と少なからずデメリットもあるのです。

理想は、すべての保護者が志をひとつにして、協力しながらPTAを運営することですが、実現は難しいでしょう。このままの状態が続けば、令和の時代にはPTAは消滅してしまうかもしれませんね。果たしてそれは、よいことなのでしょうか?それとも…?

大中 千景