新社会人、おめでとう!

ちょっとタイミングを逃したが、新社会人おめでとう! 君は親から巣立って、これからはとりあえず食っていかないといけないわけだ。ま、実家から通うのもあと数年かもしれないが、社会人になるにあたって、お父さんにちょっとしたアドバイスをさせてほしい。

辛抱する木に金がなる

入社式が終わると、いろいろな人事関係書類を提出することだろう。厚生年金や健康保険への加入、給与振込口座届等々の事務手続きがあることと思う。何! 今では全部インターネット経由でオンライン処理だと? それはずいぶんと便利な世の中になったものだ。だが、これらの手続きもすべてお金に関わることだと理解してほしい。

それはさておき、これから君はお金とは切っても切れない生活を送ることになるので、黙ってお父さんの話を聞いてくれ。

初任給をもらったら、給料の2割は預貯金にして貯めることだ。最初のうちはキツイと思うが、それが後々大きな財産となっていくことを保証しよう。いまのところ、金利、つまり銀行が払ってくれる利子はほとんどゼロ%だが、貯める努力自体が重要なのだ。

「辛抱する木に金がなる」って言うだろ。

また、会社がらみで保険への勧誘があるかもしれない。いわゆる生命保険というやつだ。日本人は世界でも有数の保険好き国民だから、ついつい安易に保険に入ってしまう。でも、よく考えてみよう。22歳の君が生命保険に入っても、結局保険金は自分では使えないし、死後もらえるのは君のダンナか子供だ。一生独身のこともあるので、保険料を一生払い続ける価値があるかどうか、よく考えてほしい。

生命保険文化センターによれば、一世帯当たりの年間保険料支払い額は38万円(月3万2000円)になり、30年間払い込むと1140万円にもなるそうだ※。

金融商品に対する疑問を常に持っておくと、君の金融センスは格段に向上するんだよ。

※生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査〈速報版〉」より

お金の貸し借りと人間関係

借金の話もしておこう。借金には良い借金と悪い借金がある。たとえば、友達同士の少額の貸し借りだ。君の友人が、「財布を忘れたので今日だけ千円貸してくれないかしら、明日必ず返すからね」と言うなら、ましな借金と言えるだろう。