この記事の読みどころ
12月9日(水)10:30発表予定の中国生産者物価指数(PPI)に注目です。
PPIは、CPIよりも一段と早く国内景気を反映させる傾向にあります。
最大の注目点は中国政府による積極的な追加刺激策が発表されるかです。
2015年12月9日(水)10:30発表予定の中国生産者物価指数(PPI)に注目
メディアでは、消費者が購入するモノやサービスなどの物価の動きを把握する消費者物価指数(以下、CPI)についての報道報道が多く見られます。CPIがインフレの最重要指標であることを考えると、それは自然なことなのかもしれません。
しかし筆者は目先、中国生産者物価指数(PPI)に最も注目しています。これは、中国国家統計局が、物価動向の把握を目的に、国内生産者の卸売価格を指数化したものです。
12月中にも米国の利上げの可能性が高いとの見方が支配的な局面において、CPIよりも一段と早く国内景気を反映する傾向のPPIが、株式市場にインパクトを与えると筆者は考えるためです。
中国政府による積極的な追加刺激策が発表されるか
コモディティ価格の下落や国内の過剰生産等を背景に、中国の10月PPIは-5.9%(前年同月比)と44か月連続で低下しています。
今回、11月のPPIの市場予想も-5.9%(前年同月比)とマイナス予想となっており、米連邦準備理事会(FRB)による利上げの可能性が高まる中、中国政府による積極的な追加刺激策が期待されています。
振り返れば、2015年の中国人民銀行による相次ぐ利下げ(1年物の基準貸出金利)と預金準備率の引き下げは、株価を一時的に押し上げるだけでした。
今回のPPI等のインフレ指標の結果を受け、中国政府によるマーケットインパクトを与えるような積極的な追加刺激策が発表されると、中国のみならず、新興国(資源国)の株式市場に底打ち感が広がり、先進国の株式市場も上値を追う展開となるでしょう。
【参考情報】中国生産者物価指数(PPI)の基礎知識
そもそも、PPIとは?
中国生産者物価指数(Producer Price Index=PPI)とは、生産者の出荷時点での価格変動を指数化したものです。
PPIの主要な目的は、各種商品の生産段階における価格変化を数値面から把握することにあり、中国国家統計局が、毎月10日前後、消費者物価指数(CPI)と同時に発表します。
PPIのデータは、初期段階(未加工品)、中間段階(加工品)、最終段階(完成品)の3段階に分別されて収集されます。
中国国内の調査対象製品は、39の業種から4,000種(規格品9,500品目)とされており、調査項目は136項目です。
※元データの確認は、中国国家統計局のウェブサイト(英語版)をご参照ください。