4. 公的年金「厚生年金・国民年金」の平均月額はいくら？
老後の主要な収入源となる公的年金について、厚生労働省年金局が公表する「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、現代シニアの平均月額を確認してみましょう。
4.1 「厚生年金」の平均月額を見る
〈全体〉平均年金月額：14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額：16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額：10万7200円
※国民年金の金額を含む
4.2 「国民年金」の平均月額を見る
〈全体〉平均年金月額：5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額：5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額：5万5777円
たとえば、夫が厚生年金、妻が国民年金という世帯の場合、夫婦での年金受給額はおよそ22万円です。
先ほど見た生活費の水準と比べると、年金収入だけでは賄いきれないことがわかります。
自分の将来の受給額を知りたい方は、「ねんきんネット」を利用して、ご自身の見込み額を確認しておくとよいでしょう。
5. まとめ
ここまで見てきたように、現代のシニア世代が直面している家計の現状は、決して楽観視できるものではありません。 年金だけでは毎月の生活費を賄いきれず、貯蓄を取り崩しながら生活している世帯が多数派であることがわかります。
特に2025年の急激な物価変動は、従来のライフプランを大きく見直すきっかけとなりました。 まずは「ねんきんネット」などを活用し、将来自分が受け取れる正確な金額を把握することから始めてください。 その上で、現在の貯蓄額と今後の支出予定を照らし合わせ、不足分をどう補うかを具体的にシミュレーションすることが大切です。
新NISAなどを活用した資産運用や、長く働き続けるためのスキルアップなど、選択肢はいくつか存在します。 新年を迎えるこの時期に、ぜひご自身の将来に向けたマネープランをじっくりと練り直してみてはいかがでしょうか。 早めの準備が、将来の自分を助けるための大きな力となるはずです。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況 1 主な年齢の平均余命」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「2024（令和6）年 国民生活基礎調査の概況」
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年（令和7年）6月分」
石津 大希
