3. 【高額療養費制度】「70歳以上の方が対象」外来特例の見直しで今後どうなる?
高額療養費制度には、70歳以上の方を対象にした「外来特例」があります。これは入院とは別に、外来診療にかかった医療費について、個人ごとに月額の上限を設けるしくみです。
高額療養費「外来特例」のしくみ

出所:厚生労働省「第8回「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」資料・高額療養費制度について(参考資料)」
高齢になると、持病の管理などで定期的な通院が必要になるケースが増えます。外来特例は、そうした事情を踏まえ、通院が続いても医療費が家計の大きな負担にならないよう設けられてきました。
一方で、このしくみについては「現役世代との負担のバランスをどう考えるか」という点が見直し議論の論点となっています。
今回の検討では、
- 外来特例を今後も維持するのか
- それとも、入院と外来を合算した上限額に一本化するのか
といった方向性が話し合われています。
とくに、人工透析など、頻繁かつ継続的な通院が欠かせない方にとっては、外来特例の扱いが変わるかどうかで、自己負担額に影響が出る可能性があります。そのため、制度の公平性とともに、本当に医療の支えが必要な人をどう守るかが問われています。