3. リタイア後に増えやすい支出とは?

仕事を離れると、通勤や業務に紐づく支出は自然と減っていきます。

たとえば、スーツや仕事用の靴・バッグ、平日の外食費などは、現役時代ほど必要なくなるケースが多いでしょう。

しかしその一方で、退職後の生活では別の支出が目立つようになります。代表的なものは次のとおりです。

  • 在宅時間の増加による光熱費
  • 友人や近所付き合い、親族との交流にかかる交際費
  • 趣味や習い事などの余暇関連費
  • 旅行やレジャーへの支出
  • 医療費や介護関連費用

家にいる時間が長くなることで、日々の生活費がじわじわ膨らむことがあります。また、時間的な余裕が生まれることで、趣味や人付き合いに使うお金が増える人も少なくありません。

医療費や介護費用については、すべての人に当てはまるわけではないものの、年齢とともに負担が増える可能性を否定できません。

こうした変化を踏まえ、リタイア後の生活費は「今より減る」と決めつけず、前後でどの支出が増減するのかを事前に整理しておくことが重要です。

4. 支出は「増える」より「読みにくくなる」

リタイア後の家計で注意したいのは、支出項目そのものよりも、支出のタイミングや金額が不規則になりやすい点です。

現役時代は、通勤費や昼食代など毎月ほぼ一定の支出が多く、家計の見通しを立てやすい傾向があります。

一方、リタイア後は、医療費の自己負担や家電の買い替え、冠婚葬祭など、月ごとの金額にばらつきが出やすい支出が増えていきます。

これらは必ずしも高額ではありませんが、発生時期を事前に予測しにくく、赤字月が生まれやすい要因になります。

毎月の平均収支だけを見ると問題がないように見えても、「ある月だけ支出が大きく膨らむ」ことを繰り返すと、貯蓄の取り崩しが想定より早く進む可能性があります。

老後の家計では、金額の大小よりも“変動の大きさ”をどう吸収するかが重要な視点となるでしょう。