街がクリスマスイルミネーションで彩られ、2025年も終わりに近づいています。

年末調整や冬のボーナスなど、家計やお金について考える機会が増える時期ではないでしょうか。

2026年に向けて、資産形成の計画を立てる方も多いかもしれません。

将来の生活設計を考える上で欠かせないのが「公的年金」です。

老後2000万円問題などが話題となり、「将来いくら年金をもらえるのか」「今の働き方で老後は大丈夫か」といった不安を感じる方も少なくないでしょう。

老後必要な生活費は、各ご家庭により異なりますが「月額20万円以上」の年金を実際に受け取っている人は、どのくらいの割合を占めているのでしょうか。

この記事では、公的年金の基本的な仕組みを解説するとともに、厚生労働省のデータをもとに「月額20万円以上」の年金を受給している人の割合について、わかりやすく解説します。

年金は、偶数月に前月と前々月の2カ月分が支給されます。

次回の年金支給日となる12月15日に、支給額が「合計40万円超え」になる人は何パーセントいるのか見ていきましょう。

1. 日本の公的年金は「2階建て」が基本構造

日本の公的年金制度は、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」と、2階部分の「厚生年金」で構成される「2階建て構造」となっています。

1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)の仕組み

国民年金は、原則として日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度です。職業や国籍による区別はありません。

  • 年金保険料:加入者全員が同じ金額を納付します(※1)
  • 老後の受給額:40年間すべて納付した場合、満額が支給されます(※2)
  • 被保険者の区分:第1号から第3号までの3種類に分類されます(※3)

※1 国民年金保険料の月額は、2025年度で1万7510円です。
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額は、2025年度で6万9308円です。
※3 第1号被保険者は自営業者や学生など、第2号被保険者は厚生年金の加入者、第3号被保険者は第2号被保険者に扶養される配偶者を指します。

1.2 2階部分:厚生年金の仕組み

厚生年金は、会社員や公務員のほか、パートやアルバイトでも特定適用事業所(※4)で働き、一定の要件を満たす方が国民年金に上乗せして加入する制度です。

  • 年金保険料:収入に応じて金額が決定され(※5)、給与から天引きで納付します。
  • 老後の受給額:加入していた期間や納めた保険料の額によって個人差が生じます。
  • 被保険者の区分:第1号から第4号までの4種類に分類されます(※6)

※4 1年のうち6ヶ月以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業などを指します。
※5 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。
※6 第1号は民間の事業所に使用される人、第2号は国家公務員共済組合の組合員、第3号は地方公務員共済組合の組合員、第4号は私立学校教職員共済制度の加入者を指します。

年金の支給は、原則として偶数月(2・4・6・8・10・12月)の15日に行われます。15日が土日や祝日の場合は、その直前の平日に前倒しで支給されます。

なお、支給日には前月までの2ヶ月分の年金がまとめて支払われる仕組みです。

例えば、8月には6月と7月分が、2月には12月と1月分の年金が支給されます。