2. 年金制度改正法が成立。国民年金・厚生年金の見直しで「誰にどんな影響があるのか」
働き方の多様化や男女差に中立的な制度を目指し、様々なライフスタイルに対応するための「年金制度改正法」が成立しました。
この改正により、パートやアルバイトなど短時間労働者への社会保険の適用が拡大され、第3号被保険者から第2号被保険者(厚生年金・健康保険の加入者)へ移行する方が増える見込みです。
社会保険に加入することには、将来の生活保障を手厚くするメリットがあります。
例えば、老後に受け取る年金額が増加するだけでなく、病気やケガで働けなくなった際の所得補償制度も利用可能になります。
ここでは、主なメリットを2つ紹介します。
2.1 社会保険加入によるメリット1:年金額の増加
社会保険に加入すると、将来受け取れる年金額が手厚くなります。
例えば、国民年金(老齢基礎年金)のみに40年間加入した場合の年金額は年間約80万円(令和5年度の満額)です。
これに対し、国民年金に40年、厚生年金に20年加入したケースでは、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせて年間約92万円が支給される計算になります。
また、厚生年金に加入することで、老齢年金に加えて障害年金や遺族年金といった万が一の際の保障も充実します。
厚生年金の加入期間が長くなるほど、将来の年金受給額も増加していく仕組みです。
2.2 社会保険加入によるメリット2:傷病手当金
社会保険の被保険者であれば、病気やケガが原因で4日以上仕事を休んだ場合に、所得の一部が保障される「傷病手当金」を受け取ることが可能です。
この制度は国民健康保険にはないため、療養中の生活を経済的に支える重要な役割を果たします。
社会保険加入の一つの目安である「年収106万円の壁」の要件の一つ、月額賃金8万8000円以上という基準は、今後見直しが検討されています。
制度改正が進むことで、より多くの方が自身のライフプランに合わせた働き方を選択しやすくなることが期待されます。

