2. 統計結果からわかること
次に、先ほどの統計結果を踏まえてわかる「現代のおひとりさまの貯蓄事情」を解説していきます。
2.1 平均値と中央値の乖離
まず数値を見て最も顕著にわかるものが、平均値と中央値との大きな差です。この数値の差は、各世代における保有資産の格差が非常に激しいことを表しています。
平均値は、全世帯の資産額を足したものを全世帯数で割ったものであるため、一部の極端に多くの資産を持つ富裕層の値に大きく引き上げられます。一方で中央値は、データを順番に並べた際の真ん中の値であり、どちらかと言えば一般的な世帯の実感に近い数字です。
つまり、この二つの数字の差は、ごく一部の富裕層が平均値を押し上げている一方で、大多数の人はそれほど多くの資産を持てていない「二極化」の構造を如実に表しています。
2.2 現役世代の金融資産非保有世帯
資産格差を裏付ける数値として、「金融資産非保有世帯の割合」を挙げることができます。
同統計によると、20歳代から50歳代までの各世代では、金融資産を全く持たない「金融資産非保有世帯」がそれぞれ3割を超えています。事情は世帯により様々ですが、現役世代であるにもかかわらず、これだけ多くの人々が金融資産を持っていないという事実は、日本におけるおひとりさまの家庭経済事情の厳しさを表しています。
2.3 高齢世代の金融資産非保有世帯
さらに、60歳代、70歳代と言った現役引退後の世代においても、金融資産非保有世帯の割合はそこまで下がることはなく、いずれも25%以上と高い割合です。つまり、高齢世代の4人に1人が、金融資産を保有せずに老後を迎えている可能性が高いと言うことです。
高齢期に突然のお金が入り用になった歳に、金融資産を非保有でいることは、かなりのリスクがあると言えます。
2.4 2000万円の達成率
「老後2000万円問題」というワードが話題になったこともあり、老後の貯蓄目安として2000万円を目標としている人も多くいます。
しかし、今回の統計結果を見ると、中央値はもちろんのこと、平均値においても貯蓄2000万円には及ばない数値となっています。
例えば、老後を迎える、または老後を迎えた世代における2000万円以上の保有割合を見ると、60歳代で22.9%、70歳代で22.0%にとどまっています。つまり、2000万円以上の老後資金を準備できているのは4人に1人以下の割合ということです。