桜の季節も過ぎ、新年度の慌ただしさが少し落ち着く4月中旬、ご自身の将来についてゆっくり考えてみるのはいかがでしょうか。
特に60歳代を迎え、セカンドライフが視野に入ってくると「老後の生活費は一体いくら必要なのだろう」「年金だけで暮らしていけるのかしら」といったお金の不安は尽きないものです。
この記事では、公的な統計データをもとに、65歳以上の無職のご夫婦世帯におけるリアルな家計の状況を掘り下げていきます。
平均的な収入と支出、どれくらいの貯蓄があるのか、そして年金の平均支給額まで、具体的な数字を通して「いまの日本のシニアの暮らし」を明らかにします。
ご自身の状況と照らし合わせながら、今後のライフプランを考える上での参考にしてみてください。
1. 65歳以上の無職夫婦世帯における家計の収支状況
「老後の生活費」について具体的にイメージしてみましょう。総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」から「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」家計収支について解説します。
1.1 夫婦のみで暮らす65歳以上・無職世帯の家計収支
収入の内訳:月々の平均額
- 収入合計:25万4395円
- うち社会保障給付(主に年金):22万8614円
支出の内訳:月々の平均額
- 消費支出:26万3979円
- 非消費支出:3万2850円
支出合計29万6829円
この世帯の毎月の収入は25万4395円で、その約9割にあたる22万8614円が年金などの社会保障給付です。
一方で支出は、生活費にあたる消費支出が26万3979円、税金や社会保険料などの非消費支出が3万2850円で、合計すると29万6829円となります。つまり、毎月約4万2000円の赤字です。
1.2 エンゲル係数から見る生活水準:消費支出に占める食費の割合
消費支出の内訳を見ると、食費が約3割(29.9%)を占めています。これはいわゆる「エンゲル係数」にあたり、生活水準や家計の余裕度を見る指標としてよく使われます。
また、住居費や光熱費、医療費などの固定的な支出も一定の割合を占めており、年金だけで生活する場合は家計が赤字になりやすい状況が見えてきます。
