3. 平均値から考える、自分らしい老後資金計画のヒント
本記事では、公的年金の平均受給額と、シニア世帯の年代別の家計収支について見てきました。
データから見えてきたのは、公的年金が老後の生活を支える大切な収入源である一方で、それだけでは暮らしに余裕を持つのが難しいという現実です。
特に物価が上がり続けている今、年金収入と日々の支出の差をどう埋めるかは、多くの方にとって避けて通れない課題になっています。
とはいえ、「もう打つ手がない」という話ではありません。大事なのは、平均的な数字に振り回されず、自分の状況をしっかり把握することです。
まずは「ねんきんネット」などで将来の年金額を確認し、理想の生活と比べてどれくらい足りないのかを一度整理してみると、状況がぐっとつかみやすくなります。
自分の立ち位置が見えてくると、働く期間を少し延ばす、iDeCoやNISAで備える、毎月の支出を見直すなど、できることが自然と見えてきます。
漠然とした不安は、そのままにしておくと大きく育ってしまうもの。気になる今このタイミングで、無理のない範囲から準備を始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 株式会社帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年12月/2026年 」
中本 智恵