師走を迎え、街はクリスマスや年末年始の準備で活気づく季節となりました。一方で、暖房費がかさむこの時期、続く物価高で家計への負担を感じている方も少なくないでしょう。

こうした状況の中、政府の新たな経済対策として「給付付き税額控除」という制度が注目されています。この制度は、従来の減税措置だけでは支援が届きにくかった低所得世帯や、税金を納めていない住民税非課税世帯にも現金を給付できる画期的な仕組みです。

なぜ今、この制度が必要とされているのでしょうか。

この記事では、「給付付き税額控除」の具体的な仕組みや、一律給付との違いを分かりやすく解説します。あわせて、支援の対象となる「住民税非課税世帯」の収入や所得の目安についても詳しく見ていきましょう。

1. 減税と給付を一体化「給付付き税額控除」の仕組みとは?

「給付付き税額控除」とは、所得税を減らす「税額控除」と「現金給付」を組み合わせた新しい支援策です。

従来の税額控除では、納める税額以上に控除額があっても、その差額は切り捨てられていました。しかし、この制度では控除しきれない分を現金として受け取れる点が大きな特徴です。

1.1 控除額10万円のケースで見る「給付付き税額控除」の具体例

具体例で見る仕組み(控除額:10万円の場合)

具体例で見る仕組み(控除額:4万円の場合)

Aさん(中所得層)

納める税額が10万円の場合、控除によって全額が差し引かれ、納税額は0円になります。このケースでは現金給付はありません。

Bさん(低所得層)

納める税額が5万円の場合、まず税額が0円になります。そして、控除しきれなかった差額の5万円が、現金で支給されます。

Cさん(非課税世帯)

所得が低く税金を納めていない世帯の場合、控除額である10万円が全額、現金で給付されます。

このように、給付付き税額控除は単に税負担を軽減するだけでなく、納税額がない方々にも直接現金を届けることができる仕組みです。これにより、より公平な支援の実現が期待されています。