「米国株が下がると日本株も下がる」は本当か。相関係数はどのくらい?

株式投資に取り組まれている方にとって、株価が上がるか下がるかを予想することはとても難しいことです。正確に言うなら、予想はできるが本当にそうなるかは誰にも分からない、というのが本音でしょう。もしわかるのであれば、みなさん、すぐにお金持ちになってますものね。

ところで、最近お気づきではないでしょうか。米国のニューヨークダウが上がったら日経平均株価が上がり、ニューヨークダウが下がったら日経平均株価が同じように下がる、といった状況を。

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時差を考えれば、世界中で最も早く取引が始まる株式市場は実質的に東京証券取引所なので、本来であれば日本株の動きが欧米市場に影響を与えてもおかしくありません。でも、ニューヨークが落っこちたら、日本株もこけた、となるのはどうしてなのでしょう。

米国株と日本株の推移

図表1は、過去約50年間の日経平均株価とニューヨークダウの推移です。

これを見ますと、1990年までは日本株は暴騰し(15倍以上)、ニューヨークダウはせいぜい4倍程度しか上がっていません。この期間においては、日本株のパフォーマンスは驚異的だったのです。

図表1:日経平均株価とニューヨークダウの推移

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(注)期間:1970年1月末~2019年2月末。1970年1月末を100として指数化。現地通貨ベース(筆者作成)


ところが1990年に日本のバブルが崩壊すると日経平均株価は下落を続け、足元ではピークの半分程度を行ったり来たりしています。一方、ニューヨークダウは順調に上昇し、この約50年間で35倍近くまで上昇しています。

結局、1990年までは日本株が上がっても米国株はそれほど上がらない、逆に言えば、米国株が下がっても日本株は大きく下がらない関係だったと直感的に分かります。それほど、日本株の勢いがあったということですね。

ところがそれ以降、特に米国株の下落局面においては、米国株が下がると日本株は追随して下がる一方で、米国株が上がってもそれほど上がらない、むしろデフレや円高などの要因で日本株は一方的に下がる状況だったことが分かります。

加えて、ここ3年ほどは米国株の騰落と日本株の騰落の相関性が強まっている気がします。

日経平均株価とニューヨークダウの相関関係

図表1で何となく両指数の相関性が見て取れますが、実際にこの2つの指数がどのくらい似通った動きをしているのか、その相関関係を見ていきましょう。

この相関関係を判断するには相関係数を計算すればいいのですが、難しい計算式は置いておいて、相関係数が+1(プラス1)に近いほど“同じように動く”、-1(マイナス1)に近いほど“逆に動く”と考えてください。

図表2:日経平均株価とニューヨークダウの期間別相関係数

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(注)基準時点:2019年2月末。月次リターンの相関係数。(筆者作成)


約50年の長期で見ると相関係数は0.44ですから、同方向には動きがちではありますがそれほど大きな相関はないと考えられます。一方、期間が短くなればなるほど相関性は高まってきています。

特にこの1年の相関係数は+0.85ですから、まさしく「米国株が下がったら、日本株も下がる」のです。

グローバル化した現在、米国株は世界中の株価の趨勢を決めています。

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)

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太田 創
  • 太田 創
  • 一般社団法人日本つみたて投資協会
  • 代表理事

関西学院大学卒。1985年、三菱銀行入行。1988年より約10年間、ロンドンおよびサンパウロで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年からシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。現在は一般社団法人日本つみたて投資協会・代表理事。
主要な著書には、『ETF投資入門 』(日経BP 2008年)、『お金持ち入門』(実業之日本社 2015年 共著)、『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版 2019年)などがある。