厚生年金や国民年金は偶数月の原則として15日に振り込まれますが、その際に「年金生活者支援給付金」が上乗せして支給されている人がいることをご存じでしょうか。

年金は老後生活を支えるメインの収入であるケースが多いため、上乗せ支給してもらえるのであれば自分も欲しいと思う方もいるでしょう。

しかし、年金生活者支援給付金を受給できるのは、一定の要件に該当する人のみとなります。

本記事では、年金支給日に年金生活者支援給付金が上乗せ支給される人の要件や支給額について解説していきます。

1. 厚生年金・国民年金の平均受給額はいくら?

まずは、現在のシニア世代が受給している厚生年金と国民年金の平均受給額を確認しましょう。

厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年における厚生年金の平均受給額は月額14万6429円、国民年金は5万7584円です。

厚生年金・国民年金の平均受給額

厚生年金・国民年金の平均受給額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 をもとに筆者作成

厚生年金と国民年金とでは受給額に大きな差が生じており、厚生年金は国民年金のおよそ2.5倍の金額となっています。

この差は、2つの年金制度の仕組みの違いが影響しています。

公的年金制度の仕組み

公的年金制度の仕組み

出所:厚生労働省「日本の公的年金は「2階建て」」

国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳までの方が加入する制度で、年金制度のいわゆる土台となる部分です。

国民年金のみに加入している方は、将来国民年金のみの受給になります。

一方、厚生年金は、国民年金の2階部分に該当する制度で、会社員や公務員が加入します。

将来は、国民年金に上乗せして厚生年金が受給されるため、2つの年金制度には受給額に差が生じることになります。

国民年金は月額6万円弱という受給額なので、老後の生活費が大きく不足することに不安になる方もいるでしょう。

そこで、年金受給額が一定基準額に満たない方を対象に、「年金生活者支援給付金」が支給されています。