2. 国民年金+厚生年金、上位何パーセントの人が「50万円(月額25万円)」受給している?

厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢厚生年金の受給者の老齢年金総額(老齢厚生年金+老齢基礎年金)の男女全体の平均月額は「14万6429円」です。なお、この金額は1階部分の国民年金(老齢基礎年金)の月額部分を含めた平均額です。

2.1 50万円(月額25万円)は平均の約1.7倍?

  • 月額15万円以上の受給者数:502万6090人(全体の約47.6%)
  • 月額20万円以上の受給者数:261万7157人(全体の約16.3%)
  • 月額25万円以上の受給者数:  27万6814人(全体の約1.72%)

一方、月額25万円以上を受け取っている人は全体のわずか1.72%と、ごく限られた上位層にあたります。偶数月の支給日には“50万円”が振り込まれる計算となりますが、これは平均の約1.7倍という高い年金額です。年金は現役時代の収入や加入期間が反映されるため、月額25万円を受給している人は、

  • 長期にわたり安定した賃金で働いていた
  • 役職者や専門職として高い報酬を得ていた
  • 転職が少なく、加入期間が長かった

といった特徴があるケースが多いと考えられます。

つまり、月額25万円受給は、特別な制度ではなく、「長く・安定して・比較的高い収入で働き続けた人」という“キャリアの積み上げ”の結果として生まれた金額と読み解くこともできます。