3. 65歳以上世帯の「平均的な生活費」はいくら?

総務省統計局が公表した「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要 」によると、生活費(消費支出)の平均額は年代別に以下のとおりです。

  • 65歳~69歳:31万1281円
  • 70歳~74歳:26万9015円
  • 75歳以上:24万2840円

いずれの世代も支出が収入を上回っており、収支がマイナスになっていることがわかります。

3.1 65歳以上・無職夫婦世帯の家計収支例を見てみよう

総務省統計局が公表した資料をもとに、平均的な家計収支の例を見てみましょう。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支(2024年)

65歳以上の生活費

出所:総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」

 

上記で特筆すべきは「住居費」です。金額にすると約1万6000円ほどで、賃貸の家賃では難しい金額です。

つまり、この平均額にはローンを完済した持ち家が含まれていることも考慮しなくてはなりません。

生活をする上で住居は必須であるため、必要な場合には住居費として上乗せできる程度の貯蓄が必要ということになります。

その他にも介護費用などがかかる可能性も考えておいた方が良いでしょう。

同じ65歳以上でも単身であれば支出は減りますが、その分収入も少なくなります。毎月赤字になることも想定されるため、事前の備えはしておきたいところです。

4. 老後のお金「自分はいくらかかる?」を知っておく

今回は「老後のお金」について解説しました。貯蓄、年金、生活費と考え始めればきりがありません。

平均額を知って「こんなに持っていない」「こんなにお金がかかるの」と不安になった方もいるかもしれませんね。

しかし、老後に必要なお金は人によって金額が異なります。

まずは自分の年金がいくらくらいになりそうかをねんきんネットで調べてみたり、今から削っておける支出がないかを検討したりすると、少し先が見えてくるでしょう。

老後の自分にいくらかかるのかを知ったら、次は老後の自分にいくらかけるのかを考えます。

今からできることを実践して、少しでも穏やかな老後を実現しましょう。

参考資料

宮野 茉莉子