2025年も残りわずかとなりました。年始に「今年こそ貯蓄を増やそう」と決意した方は、その後の進み具合はいかがでしょうか。
ところで、数年前に大きな話題となった「老後2000万円問題」。現在のシニア世代は、本当に老後に向けて2000万円もの資産を用意していたのでしょうか。
もちろん、老後に必要な資金は年金の受給額、生活費、居住地域、家族構成などによって大きく変わるため、一律に語ることはできません。そこで今回は、参考としてシニア世代の貯蓄状況を確認してみましょう。
1. 【60歳代&70歳代】二人以上世帯「老後2000万円問題」をクリアしている?
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」では年代別の金融資産保有額データを公表しています。
60歳代と70歳代の金融資産保有額データより、シニア世代の貯蓄事情を確認していきましょう。
※このデータの金融資産保有額には、預貯金のほか、投資信託や株式、生命保険など将来に備えるための金融商品残高も含まれています。日常で使用する普通預金残高等は含まれていません。
1.1 【60歳代】貯蓄「2000万円」以上を保有する世帯はどれくらい?
- 金融資産非保有:20.5%
- 100万円未満:6.5%
- 100~200万円未満:5.3%
- 200~300万円未満:3.7%
- 300~400万円未満:3.1%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.3%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:8.0%
- 3000万円以上:20.0%
- 無回答:3.6%
平均:2033万円
中央値:650万
60歳代二人以上世帯の貯蓄額の平均値は2033万円、中央値は650万円です。
2000万円以上の貯蓄を持つ世帯は全体の28%、一方で金融資産を保有しない世帯は20.5%となっています。
60歳代二人以上世帯の約半数が貯蓄額1000万円未満です。
近年は定年退職の年齢が引き上げられていますので、これからまとまった退職金を受けとるという方もいるかもしれません。参考までに70歳代の貯蓄データも見ておきましょう。
