資産形成をはじめようと思い立ち、散々調べた結果として投資信託という金融商品にたどり着き、信託報酬が安いということで「インデックスファンド(インデックス投信)」を買うという判断をした方も多いのではないでしょうか。

ところがインデックスファンドで資産形成をはじめたものの、「しばらくたつけれどもちっとも資産が増えている感じがしない!」「とりあえずインデックスファンドを買ったけれども、その後どうしてよいかわからない」という方もいるのではないでしょうか。今回はそうした疑問を解決するためのポイントを整理しました。

同じ資産のインデックスファンドを重複して持っていないか

投資初心者にありがちなのは、たとえば「TOPIXインデックスファンド」や「日経225インデックスファンド」というように、対象資産が被るインデックスファンドを重複して保有しているケースです。

TOPIXと日経225は同じインデックスではありませんが、いずれも日本株ですし、銘柄も重複するものが含まれます。

同じ株式でも日本株のインデックスファンドをすでに持っているのならば、「海外先進国インデックスファンド」を保有して地域を分散させていくということが必要です。

もっとも、地域を分けても株式ばかりでは、追加的に「株式」のリスクをとっているわけで、債券なども保有する必要があります。

アセットアロケーションが適切にできているか

「私は資産を世界の株式と債券にバランスよく投資をしている」という方もいらっしゃるでしょう。

では、資産のリバランスはどうでしょうか。

株式市場が好調な際には、ポートフォリオに占める株式の比率が高まっていきます。結果、ポートフォリオ全体で取っているリスク量が上昇します。

資産が増えること自体は良いことなのですが、資産構成が変わることで自分か想定していないリスク量をとっているということもあります。

プロ投資家の腕の見せ所は「リスクコントロール」です。リスクコントロールを売りにしているバランス型ファンドは金融商品として存在しますが、個人投資家がインデックスファンドを組み合わせて保有しているポートフォリオでアセットアロケーション(資産配分)が上手にできているかというのは甚だ疑問です。

なぜかといえば、グローバルの運用機関にはアセットアロケーションにおいてプロフェッショナルが張り付ており、グローバルのマクロ経済をウォッチしつつ、各国の金融政策などにも注視をして資産配分を決めるというくらい専門的な仕事です。個人投資家が片手間でできる作業とは言えません。

インデックスファンドはリスクが小さいと思っていないか

「インデックスファンドを買っておけば安心」とお考えの方もいるのではないでしょうか。

もちろん、同じ投資信託でもアクティブファンドと比べるとインデックスファンドは信託報酬の水準が低く、運用コストを抑えることができます。

しかし、インデックスファンドはその対象インデックスのリスクをそのまま「裸」で保有しているのに等しく、「TOPIXインデックスファンド」であれば、日本株の株価変動というリスクをそのまま保有していることと同義です。

先ほどもふれた世界の株式や債券などを含んだバランス型ファンドであれば、各資産のふるまい(ビヘイビア)をもとに目指すべきリスクを考慮し、資産構成を決定します。リスク量をコントロールするファンドは基本的に「アクティブファンド」です。

日本株インデックスファンドを持っていないか

日本株は私たちにとってもっとも身近な資産ですが、残念ながら、長期の資産形成に日本株全体は不向きです。

その理由は、日本株全体としてみると「循環株」であるからです。景気が良い時は株価が上昇し、景気が悪くなると下落するというサイクル性があります。つまり株価が安くなれば買い増し、高くなれば売却する必要があります。

長期投資で「ドルコスト平均法」が取り上げられますが、ドルコスト平均法は下げ相場では傷口が広がります。つまり損失が拡大して見えるのです。計算上仕方がないのですが、これはドルコスト平均法を行う資産選択が良くないのです。

資産形成及びドルコスト平均法を活用するのであれば、景気による循環を受け入れながらも長期的に資産価格が上昇する資産を選びましょう。それは残念ながら現時点では日本株ではありません。

「インデックスファンドvs.アクティブファンド」という論争自体が奇妙

インデックスファンドか、それともアクティブファンドかという論争がいつもありますが、これ自体が金融商品に求める目的が異なるので、対立構造でとらえるべき問題ではないと思います。

ここまで見てきたようにアクティブファンドの神髄は「リスクコントロール」にありますので、リスクコントロールが下手な投信やファンドマネージャーは批判されてしかるべきですが、単純に信託報酬がインデックスファンドよりも高いというだけで否定されるべきものではありません。

青山 諭志