物価高が続き、日々の暮らしにゆとりがもてないご家庭も少なくないでしょう。

こうした状況でも、現役世代にとって「老後資金の確保」はマストです。

年金受給額は現役時代に加入する年金の種類や保険料の納付状況などにより個人差があるため、公的年金だけで暮らしていける世帯もあります。しかし、「物価高が続いたら」、「保険料の負担が増えたら」、「医療や介護などでまとまったお金が必要になったら」支えとなるのが現役のうちに準備した老後資金ではないでしょうか。

たとえば、厚生年金(国民年金を含む)の平均受給額は月額14万6429円ですが、これを下回る「月額10万円未満」の人の割合は21.2%です。では、逆にこれを上回る「月額20万円以上」を受給する人はどれくらいいるのか。今回は平均受給額を下回る人・上回る人の割合から、リアルな年金事情を見ていきます。

老後対策の参考にご覧ください。

1. 日本の公的年金はどんな仕組み?

公的年金の支給は、原則として偶数月の15日に行われます。もし15日が土日や祝日の場合は、その直前の平日に支給日が繰り上げられます。

直近では2025年10月15日(水)に支給されており、次回の支給予定日は2025年12月15日(月)です。

日本の公的年金制度は、基礎部分である「国民年金」と、それに上乗せされる「厚生年金」から成る、2階建ての構造になっています。

それぞれの基本的な内容を確認しておきましょう。

1.1 国民年金(1階部分)の基本的な仕組み

  • 加入対象:日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入します。
  • 年金保険料:加入者全員が同じ金額を納めます(※1)
  • 老後の受給額:保険料を40年間すべて納付すると、満額を受け取れます(※2)
  • 被保険者の種類:第1号から第3号までの区分があります(※3)

※1 2025年度の国民年金保険料は月額1万7510円です。
※2 2025年度の国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額6万9308円です。
※3 第1号被保険者は自営業者や学生など、第2号被保険者は厚生年金の加入者、第3号被保険者は第2号被保険者に扶養されている配偶者を指します。

1.2 厚生年金(2階部分)の基本的な仕組み

  • 加入対象:会社員や公務員のほか、一定の要件を満たすパート・アルバイトの方も国民年金に上乗せして加入します(※4)
  • 年金保険料:収入に応じて保険料が決定され(※5)、給与から天引きされる形で納付します。
  • 老後の受給額:加入していた期間や納めた保険料の額によって個人差が生じます。
  • 被保険者の種類:第1号から第4号までの区分があります(※6)

※4 特定適用事業所とは、厚生年金保険の被保険者数が年間6ヶ月以上51人以上となる見込みの企業などを指します。
※5 保険料は、標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて計算されます。
※6 第1号は民間企業の会社員、第2号は国家公務員、第3号は地方公務員、第4号は私立学校の教職員が該当します。

次の章では、厚生労働省のデータをもとに、それぞれの年金の平均受給月額を具体的に見ていきます。