12月に入り、冬のボーナスの支給が近づく時期。使い道を考えると同時に、今年の貯蓄状況について振り返るきっかけにもなります。
ここでは、年代別の貯蓄平均額や中央値について解説します。後半では、元銀行員の筆者が気付いた「貯蓄上手な人の習慣」について紹介しますので、家計を振り返る際の参考にしてみてください。
1. 【みんなの貯蓄】年代別でみる「貯蓄の平均とは?」
今年の貯蓄状況を振り返るとき、ひとつの目安になるのが同年代の状況です。
ここでは、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」に掲載されている2人以上世帯(金融資産を保有していない世帯を含む)の金融資産平均保有額を、「実質的な貯蓄の目安」としてみていきます。
なお、調査でいう「金融資産」には、定期預金や投資商品などが含まれ、日常の出し入れに使う普通預金(決済用預金)は含まれていません。そのため、本記事では「普段の生活費として使うお金を除いた、積み立てているお金(=貯蓄)」として金融資産額を参照していきます。
《年代別の貯蓄額平均》
- 20歳代:382万円
- 30歳代:677万円
- 40歳代:944万円
- 50歳代:1168万円
- 60歳代:2033万円
- 70歳代:1923万円
同年代と比べて、「平均額くらいは貯められているな」「みんなこんなに貯めているなんて不安…」などさまざまな感想を抱いたかもしれません。
ただし、この調査では平均額だけでなく中央値を見ることも重要です。続いての章で見ていきましょう。
1.1 中央値にも注目
前述の調査によると、年代別の貯蓄額中央値は下記の通りです。
《年代別の貯蓄額中央値》
- 20歳代:84万円
- 30歳代:180万円
- 40歳代:250万円
- 50歳代:250万円
- 60歳代:650万円
- 70歳代:800万円
中央値を見てみると、先ほどの平均額と大きな乖離があることが分かります。
特に、「金融資産が全くない」と答えた人が40歳代では25.7%、50歳代では29.2%にものぼります。つまり、貯蓄がある人とない人がニ極化している状況です。
では、貯蓄ができる人とそうでない人にはどのような違いがあるのでしょうか。
もちろん、所得による差も大きいかもしれません。しかし、筆者は銀行員として働く中で、必ずしも「貯蓄が多い=所得が多い」とは限らないケースを多く見てきました。
続いての章で、筆者が銀行員生活で気付いた「貯蓄が多い人の習慣」を紹介していきましょう。
