日本は日常生活において子どもに軸を置き、欧米は夫婦中心と言われることがあります。どちらがいいか悪いかという問題ではありませんが、それでも日本の夫婦は2人で過ごす時間が少ないのは事実。
周囲の環境が整えられないままの急速な共働き化が進んだことは、お互いに向き合う心の余裕と時間を夫婦から奪っていないでしょうか。
両親のいる家庭でも、母子家庭、父子家庭であっても、子どもを取り囲む大人同士の人間関係は子どもの心に大きな影響を与えます。子どもにとって大切な存在の大人たちが思いやりを欠いた関係を続けている記憶は、子どもの心に強く刻まれます。
大人が「面倒なこと」を押し付け合い、時間の奪い合いをする家庭にならないためには、男性側の労働時間の改善のみならず、一世代前には過小評価されていた「よき家庭人」となるための内面の意識の変化や、母親が子育てをある程度パートナーに解放することも大切なのかもしれません。
ちなみに、今回の調査で5か国全ての結果に共通していたのが、夫婦で家事分担しているしている人ほど、「配偶者が好き」と回答していた点でした。
【参考】世界5カ国の「共働き」に関する意識調査(リンナイ株式会社)
北川 和子