昨年からスターバックス、マクドナルドなど大手飲食チェーンで始まったプラスチック製ストローの廃止。こうした使い捨てプラスチック容器等の廃止はもはや世界的なムーブメントとなっています。

しかし、実際のところなぜいきなりこうした大きな動きになっているのか、詳しく知らないという人も少なくないでしょう。そこでプラスチック廃止の背景やリサイクルの現状についてまとめます。

世界中で発生している海洋プラスチック問題

私たちの生活になくてはならない存在となっているプラスチック。耐久性、価格の安さ、手軽さなどの面から、幅広い製品や包装に使用されています。しかし、その手軽さゆえに問題になっているのが、使い捨てされることで大量に出るごみ。

捨てられたプラスチックごみは最終的には海洋に流れ着き、「マイクロプラスチック」と呼ばれる細かな粒子になることで海洋生物の体内に取り込まれていきます。そしてその海洋生物を口にする人間にも大きな影響を及ぼす危険性を秘めているとされているのです。

現在、世界中の海に存在しているプラスチックごみは、1億5,000万トンと言われています。そして、そこに新たに流入されると推定されているプラスチックごみは少なくとも年間で800万トン。

このままだと世界中の海にどんどんプラスチックごみが流れ着いてしまうということが、各国で深刻な問題になっています。地球が滅亡するというSF映画のような最悪のシナリオが、現実味を帯びていると言っても過言ではないのが現状です。

プラスチックごみ発生量、国別ランキングで日本は?

日本ではプラスチックのリサイクルが進んでいるように思えますが、意外にも2016年におけるプラスチック容器のリサイクル率は46.6%にとどまっています。一方で、分別しやすいラベルなど対策が進んでいるペットボトルのリサイクル率は世界的に見ても高く、2017年度においては84.8%。

ペットボトルのリサイクルについては対策の効果が見られますが、プラスチック全体のリサイクルについては改善の余地があるというのが現状です。

次に、環境省が昨年8月に発表したデータを見てみましょう。人口密度や経済状態等から国別に推計した、陸上から海洋に流出したプラスチックごみ発生量(2010年推計)の国別ランキングを見ると、1位は中国が132~353万t/年という数字をたたき出していました。

日本は30位で2~6万t/年でしたが、1位の中国を筆頭に2位はインドネシア、3位はフィリピン、4位がベトナムと東・東南アジアが上位を占めるという結果に。こうした現状から日本が先頭を切ってプラスチックごみ問題に対処することは、世界に向けたアピールにもなるという見方もあります。

転換期を迎えているリサイクル事情