4. 国民年金の月額平均はいくら?《北海道から沖縄まで、リスト形式で確認》

国民年金(老齢基礎年金)の受給額は、保険料を納付した月数で決まります。そのため、厚生年金に比べて、個人差や男女差、そして地域による格差は大きくありません。

参考として、国民年金(老齢基礎年金)の都道府県別平均年金月額を見てみましょう。

4.1 都道府県別「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額

  • 北海道:5万6723円
  • 青森県:5万5369円
  • 岩手県:5万8866円
  • 宮城県:5万7706円
  • 秋田県:5万7299円
  • 山形県:5万8954円
  • 福島県:5万8101円
  • 茨城県:5万7604円
  • 栃木県:5万7749円
  • 群馬県:5万8791円
  • 埼玉県:5万7252円
  • 千葉県:5万7597円
  • 東京都:5万6584円
  • 神奈川県:5万7597円
  • 新潟県:6万113円
  • 富山県:6万1220円
  • 石川県:6万170円
  • 福井県:6万532円
  • 山梨県:5万7477円
  • 長野県:6万262円
  • 岐阜県:5万9501円
  • 静岡県:5万9398円
  • 愛知県:5万8290円
  • 三重県:5万9675円
  • 滋賀県:5万9435円
  • 京都府:5万6525円
  • 大阪府:5万5463円
  • 兵庫県:5万7447円
  • 奈良県:5万7246円
  • 和歌山県:5万6067円
  • 鳥取県:5万9770円
  • 島根県:6万497円
  • 岡山県:5万9891円
  • 広島県:5万9286円
  • 山口県:5万9406円
  • 徳島県:5万7095円
  • 香川県:6万25円
  • 愛媛県:5万8059円
  • 高知県:5万6268円
  • 福岡県:5万6622円
  • 佐賀県:5万9344円
  • 長崎県:5万6876円
  • 熊本県:5万8172円
  • 大分県:5万6685円
  • 宮崎県:5万7571円
  • 鹿児島県:5万7963円
  • 沖縄県:5万2837円

国民年金(老齢基礎年金)の受給額は、5万円から6万円台が中心で、全国平均は5万7700円です。

この金額だけで老後の生活費をまかなうのは、現実的に厳しいと感じる人も多いでしょう。

そのため、厚生年金の上乗せがない自営業者やフリーランスの方などは特に、現役時代から計画的な資産形成を始めることが大切です。

5. 年金制度改正、年収106万円の壁撤廃へ。いま考えたい《私の働き方×老後の年金》

2025年6月13日、年金制度改正法が成立しました。今回の改正の主な見直しポイントを整理していきましょう。

5.1 年金制度改正の全体像《主な見直しポイント》

社会保険の加入対象の拡大

  • 短時間労働者の加入要件(賃金要件・企業規模要件)の見直し。いわゆる年収「106万円の壁」撤廃へ

在職老齢年金の見直し

  • 支給停止調整額「月62万円」へ大幅緩和(2025年度は月51万円)

遺族年金の見直し

  • 遺族厚生年金の男女差を解消
  • 子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする

保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

  • 標準報酬月額の上限を、月65万円→75万円へ段階的に引き上げ

私的年金制度

  • iDeCo加入年齢の上限引き上げ(3年以内に実施)
  • 企業型DCの拠出限度額の拡充(3年以内に実施)
  • 企業年金の運用の見える化(5年以内に実施)

6. まとめにかえて

今回は、厚生年金の全国平均額と、それに伴う男女差・個人差、さらには都道府県別の平均年金月額のリアルな格差を見てきました。

厚生年金の受給額は、現役時代の報酬と加入期間によって決まるため、賃金水準の高い都市部と地方では、年金受給額にも差が生じるという構造が明らかになりました。

特に女性の平均受給額は男性より低い傾向にあり、国民年金(老齢基礎年金)のみの受給となれば、生活費を賄うには厳しい水準であることがデータから読み取れます。

また、2025年の年金制度改正では、「年収106万円の壁」の撤廃や在職老齢年金の見直しなど、働きながら年金を受け取る方や、これから老後に向けて資産形成を考える方にとって重要な改正が行われています。

公的年金は生活の基盤ですが、データが示す通り、それだけでゆとりのある老後を送るには難しい時代です。

まずは「ねんきんネット」などでご自身の年金見込額を確認し、その金額と老後の生活費のギャップを埋めるための具体的な資産形成の計画を立ててみてはいかがでしょうか。

iDeCoや新NISAなど、税制優遇のある制度を上手に活用して「自分年金」を育てることが、地域格差や男女差といった年金の現実を乗り越え、安心感のある未来を築くための鍵となるでしょう。

参考資料

マネー編集部年金班