11月は家計への負担が重く感じられる時期で、生活必需品の値上げも続く中、「どんな支援が今後拡大されるのか」に関心が集まっています。

新首相の高市氏が実現を目指す「給付付き税額控除」をご存じでしょうか。この制度は、所得税の税額控除と現金給付を組み合わせたもので、控除しきれなかった分は現金で給付されます。

先進国では広く導入されており、すべての世帯が公平に支援を受けられる点が特徴です。本記事では、具体的な効果とインフレが続く中での家計対策について解説します。

1. 「給付付き税額控除」とは?制度の仕組みと特徴を理解する

新しく首相になった高市氏は「給付付き税額控除」の実現に向けて、準備を進めています。

「給付付き税額控除」とは、所得税の税額控除と現金給付を組み合わせた、国民生活を支援するための制度です。納める税金から控除額を差し引き、その控除しきれなかった分は現金で給付する仕組みです。

給付付き税額控除は、税と社会保障を一体運用する制度であり、先進国で広く導入されています。

なお、給付付き税額控除には、以下4つの類型があります。

  • 第1類型:勤労税額控除で、働く人に税額控除を行い勤労意欲を促進する
  • 第2類型:児童税額控除で、子育て世帯を支援する
  • 第3類型:オランダ型とも呼ばれ、社会保険料負担を軽減して低所得層の負担を抑える
  • 第4類型:消費税の逆進性対策で、基礎的な生活費にかかる消費税分を還付する

選挙の中では、軽減税率の適用も一つの選択肢として挙げられていました。しかし、軽減税率は高所得者ほど減税額が大きくなる特徴があり、実施に否定的な意見が出ました。

一方で、給付付き税額控除は減税と給付が両方とも含まれるため、真に支援が必要な層に的確に届きます。また、就労インセンティブを維持しながら貧困対策ができる点も注目されています。

2. 10万円の「給付付き税額控除」が行われたときの効果

たとえば、10万円の「給付付き税額控除」が実施された場合を考えてみましょう。私たちの生活に、どのような影響があるのかを解説します。

給付付き税額控除1/2

給付付き税額控除

出所:LIMO編集部作成

2.1 中・高所得層

  • 所得税の納税額:30万円(控除額10万円を上回る)
  • 控除・給付の適用:10万円が減税として適用
  • 最終的な効果:納税額が20万円となり、納税負担が軽減される

2.2 低所得層

  • 所得税の納税額:8万円(控除額10万円を下回る)
  • 控除・給付の適用:8万円の減税で納税額がゼロになり、残りの2万円を現金給付
  • 最終的な効果:納税額がゼロになり、さらに2万円を現金で受け取る

2.3 非課税世帯

  • 所得税の納税額:ゼロ
  • 控除・給付の適用:10万円が全額現金給付される

このように、課税世帯だけでなく非課税世帯も恩恵を受けられることがわかります。公平性を維持しながら国民生活を支援できるため、すべての世帯が同様の経済的メリットを感じられるのです。

3. 今後も続くインフレ局面と家計への影響

ここ数年、私たちの生活に深刻な影響をもたらしているのはインフレです。原材料価格や人件費の高騰など、さまざまな要素がインフレにつながっています。

帝国データバンクの調査によると、2025年11月において、値上げが行われるのは家庭用を中心とした143品目でした。

原材料高や人件費の上昇は続いているため、今後も物価上昇は続くと考えられます。娯楽費は比較的削りやすいものの、食費は生活に欠かせない以上、節約には限界があります。

また、食費を抑えた結果健康を損ねてしまうと、医療費が発生するため本末転倒です。政府は「おこめ券」を配布する対策を検討しているものの、具体的に実施されるかどうかは不透明です。

各家庭が創意工夫をしながら、インフレに対応する方法を実践することが、ますます重要といえるでしょう。

4. 給付付き税額控除をめぐる今後の見通しと生活者の備え方

給付付き税額控除は軽減税率と異なり、所得に応じた還付により真に支援が必要な層へ的確に届く仕組みです。

今後給付制度の詳細が決まっていると考えられるため、最新の情報に注目しましょう。

一方、インフレは今後も続く見込みで、2025年11月は143品目が値上げされます。

食費の過度な節約は健康を損ねるリスクがあるため、各家庭で創意工夫しながら対応することが重要です。

参考資料

柴田 充輝