3. 在職定時改定により毎年10月に年金額が見直される

これまで、老齢厚生年金を受給しながら厚生年金保険に加入し働いていた場合、その厚生年金加入期間が年金額に反映されるのは退職時または70歳到達時とされていました。

そのため、厚生年金保険に加入し続けて保険料を納めた効果がすぐに反映されず、受給者にとって不利益な状況でした。

しかし、2022年(令和4年)4月から「在職定時改定制度」が導入され、退職時や70歳到達時を待たずに、毎年10月に年金額の見直しが行われ反映されることになったのです。

なお、対象になるのは65歳以上70歳未満の老齢厚生年金受給者です。

在職定時改定制度が導入されたことにより、厚生年金保険に加入して働いたことが毎年10月に反映されるようになりました。

年金額が増えたと実感しやすくなり、就労意欲が向上することも期待できます。

4. まとめ

在職老齢年金の支給停止の基準額が62万円に引き上げられることで、これよりも厚生年金を受給しながら働いて収入を増やしやすくなります。

また、在職定時改定が導入されたことで、厚生年金保険の加入実績が毎年反映され、年金額が増えていることを実感しやすくなりました。

こういった施策により、年金受給者の働く意欲の増加や経済的な安定化に役立つことが期待されます。

参考資料

木内 菜穂子