3. 「シニア世代の生活費」平均いくら?

では最後に、シニア世代の1ヵ月の生活費はいくらかかるのか見ていきます。

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上二人夫婦二人のみ世帯の1ヵ月の家計収支は以下の通りです。

65歳以上夫婦二人のみ世帯の1ヵ月の家計収支

65歳以上夫婦二人のみ世帯の1ヵ月の家計収支

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

1ヵ月の収入は平均25万2818円で、そのうち年金などの社会保障給付が22万5182円と大部分を占めています。

一方、支出は28万6877円で、そのうち社会保険料や税金などの非消費支出が3万356円、残りの25万6521円が消費支出です。

消費支出のうち最も多いのが食料費で、29.8%と約3割を占めています。

消費支出に対する食料費の割合をエンゲル係数といいますが、シニア世代は高い傾向があります。

老後は現役時代と比べて収入が減少する一方、食料費は生きるために必要なものであるため、支出を減らしづらいことが理由と考えられるでしょう。

また、収入から支出を差し引くと3万4059円の赤字となり、主に年金のみの収入では生活費をすべてまかなうのは難しいようです。

4. まとめ

70歳代二人以上世帯の貯蓄額は平均値が1923万円、中央値が800万円です。

老後の生活費は、平均で毎月平均3万円ほどの赤字となっており、補填するために貯蓄が必要です。

平均で毎月平均3万円ほどの赤字だと、20年間で720万円ほど不足する計算になるうえ、入院や介護費用などがかかるとさらに老後資金が必要になるでしょう。

老後資金はすぐに準備できるものではないため、思いついたときから少しずつでも計画的に始めることが大切です。

参考資料

木内 菜穂子