この記事の読みどころ

2015年10 月、海外投資家は久々に(2015年5月以来初めて)日本株現物の買い越しに転じました。

信託銀行の買い越しが続く中、個人が売り越しに転じています。

郵政3社上場後の個人投資家の動向と、日本郵政グループの資産の行方にも今後注目が必要です。

海外投資家は5か月ぶりに日本株の現物を買い越した

日本取引所グループの月次データによると、海外投資家の日本株現物の売買は、2015年6月以降4か月連続で売り越しでしたが、10月には5か月ぶりの買い越しに転じました。

海外投資家は2015年4月、5月に大きく買い越していましたが、8月から9月の相場急落の過程でそのポジションを整理したと見られます。10月に入り株価に底入れの兆候が出てくると、改めて買いを入れています。

個人は一転、売り越しに

信託銀行と個人などは、夏場の株価下落過程で買い手に回っていました。しかし10月に株価が反発すると、信託銀行は引き続き買い越しましたが、個人は売り越しに転じました。

個人は反発した銘柄の利益確定を進めたと思われます。さらに、日本郵政グループの上場を控え、他の銘柄を売却することで買付資金をねん出したと見られます。

個人と日本郵政グループに引き続き注目

先ほど10月に個人が売りに転じたと述べましたが、日本郵政グループのIPOに参加した方も多かったことでしょう。現時点では個人投資家に含み益が生まれていますので、個人の懐はひとまず暖かくなっています。

これが株式市場の活性化につながるかどうか注目です。また、日本郵政は貯金から投資信託へと貯金者の資産を入れ替えるよう営業を進めることでしょう。この資金の向かう有力な先の1つが株式市場です。

とかく海外投資家に振り回されるという印象の強い日本の株式市場ですが、新しい投資家層が順調に台頭してくるのか、注目の局面に入ります。

【2015年11月9日 投信1編集部】

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LIMO編集部