2. 【年金生活者支援給付金】1人いくら受けとれる?「2025年度の給付基準額」
老齢年金生活者支援給付金は、給付基準額をもとに保険料納付状況に応じて計算されるしくみです。
なお、保険料納付済期間や免除期間によって、実際の給付額には個人差が生じます。
- 老齢年金生活者支援給付金:基準額:月額5450円
- 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級月額6813円・2級月額5450円
- 遺族年金生活者支援給付金:月額5450円
年金生活者支援給付金は、公的年金の支給日に2カ月分まとめて、年金に上乗せして支給されます。
「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、2024年3月における平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金4014円、障害年金生活者支援給付金5555円、遺族年金生活者支援給付金5057円でした。
※2024年3月において認定されている平均給付金額
3. 「年金生活者支援給付金」《夫婦2人で年間約13万円》もらえるのはどんな世帯?
夫婦2人とも年金生活者支援給付金の支給要件を満たす場合、それぞれが給付金を受け取れます。
たとえば、老齢年金生活者支援給付金を2025年度の給付基準額どおりに受け取る場合は、「月額5450円(2025年度基準)×2人分=1万900円」となり、年間で約13万円が年金に上乗せされる計算です。
※実際の支給額は「保険料納付済期間」などに応じて計算されます。
年金受給者が新たに年金生活者支援給付金の支給要件を満たした場合、毎年9月以降に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されるので、必要事項を記入して返送しましょう。
なお、一度受給が認められれば、支給要件を満たしている限り、原則として再申請の必要はありません。
4. 「申請しないともらえない給付金」年金生活者支援給付金の請求漏れに気を付けよう
年金生活者支援給付金は、物価上昇が続く環境の中で、所得が一定基準額以下の年金受給者を支える目的で設けられた制度です。
対象となるには、受け取っている基礎年金の種類や世帯の所得、住民税の区分など複数の条件がありますが、該当すれば年金に上乗せして給付を受け取れます。
ただし「申請しないともらえない給付金」となっているため、申請漏れがないように気をつけておくことが大切です。
夫婦で暮らしている場合は、それぞれが対象となるケースもあり、家計全体の負担軽減につながります。
年金生活者支援給付金の制度を正しく理解し、ご自身やご家族が該当する可能性があるかどうかを確認しておくことで、必要な支援を取りこぼさず受け取れるでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎え、老齢基礎年金を新規に請求する方」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「年金受給者のみなさまへ 年金生活者支援給付金」
加藤 聖人
