よくサラリーマンの賃金が上がらないと言われますが、グローバルな人材紹介会社であるヘイズ社の調査『2018年アジア給与ガイド』によると、マネジメント層や高度スキル人材については、中国、香港、シンガポールの報酬水準が日本を上回るようになっています。それどころか税金や社会保険料が増えてサラリーマンの手取りは減少傾向にすらあります。

一方で、上述の通りサラリーマンには厚生年金や退職金、有給休暇制度などのメリットはありますし、副業解禁や働き方改革の影響で自分の時間が取りやすくなっています。空いた時間を上手く副業に使うことで収入アップに期待できますし、新しいスキルを習得して本業に活かせる可能性もあるでしょう。本業で月に何万円も昇給するよりも、副業で稼ぐ方が容易な場合もあります。

また、もともと起業を目指している人にとっても、副業から始めるのはリスクヘッジになるでしょう。いきなり起業をして収入が減ると、前年度の収入(サラリーマン時代の収入)に応じた住民税など税金の支払いが必要になり、お金の面で苦労することも。人間関係の構築や仕事の受注がしっかりできると確信してからでも遅くはないので、まずはサラリーマン+副業から始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

老後のことを考えると、サラリーマンには厚生年金・退職金などのメリットがあります。もちろん移り変わりが激しい社会で、サラリーマンの終身雇用も怪しくなりつつあるので、このままの水準を維持できるかどうかは分かりません。しかし、税金は増え、賃金はなかなか上がらない傾向の日本で生きていく以上、収入源を増やして少しでも多くの所得を得ることを考える必要もあるでしょう。

自営業やフリーランスは、成功すれば収入倍増というケースがあるかもしれません。しかし、やはり時代の移り変わりや健康状態などリスクも多いものです。そのため、サラリーマンの恩恵を受けつつ、新しい収入源を確保できる副業をするのが、老後のことを考えると最強なのではないかと筆者は考えています。

勝目 麻希