高齢者「生活苦しい」はいったいどのくらいの割合？日本のシニアの平均貯蓄額・年金額を徹底解説

いよいよ今年も終わりに近づいています。この季節は暖房費など、家計の中でも特に光熱費の負担が増加しやすい時期であり、日々の生活費のやり繰りに頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。

特に、年金生活を送るシニア層にとって、物価高やエネルギー価格の高騰は生活を直接的に圧迫する深刻な問題となっています。

本記事で詳しく解説しますが、厚生労働省の調査によると、高齢者世帯の半数以上が現在の生活を「苦しい」と感じているという現状が明らかになっています。

また、総務省の家計調査からは、70歳代の無職夫婦世帯が平均して毎月2万円程度の赤字に直面している実態も判明しました。公的年金が生活の主要な柱であるものの、年金収入だけでは月々の支出を賄いきれず、貯蓄を取り崩しながら生活しているケースが多いと考えられます。

超高齢社会の進展と物価上昇が続く現代において、老後の経済的な不安はシニア世代共通の大きな課題です。

本記事では、各種公的データをもとに、70歳代夫婦の平均的な生活費、年金額、そして貯蓄の実情を徹底的に分析します。ご自身の老後資金計画を見直すきっかけとして、ぜひ最後までお読みください。

1. 【調査データを見る】5割超のシニアが「生活が苦しい」と感じている

まずは、厚生労働省の「2024（令和6）年国民生活基礎調査の概況」をもとに、現在の高齢者がどのように生活状況を捉えているのかを確認してみましょう。

高齢者の生活意識

上記の調査結果では、高齢者世帯の生活意識は次のようになっています。

「大変苦しい」と「やや苦しい」を合わせると、55.8％が生活を「苦しい」と感じており、「普通」と回答した層よりも、「苦しい」と感じている人のほうが多い結果となっています。