この記事の読みどころ
11月の株式市場は大幅反落となる波乱のスタートになりました。
「二日新甫は荒れる」という相場の格言がありますが、11月はそれに合致します。
科学的根拠は乏しいですが、重要イベントが多いので注意が必要かもしれません。
波乱のスタートになった11月の株式市場
11月の株式相場スタートとなった週明けの2日、東京市場の株価は反落となりました。先週末比で日経平均株価が約▲400円安(▲2.1%安)となり、5営業日ぶりの下落です。
反落した理由として、利益確定売りが出たことや日銀の追加金融緩和が見送られたことなど、様々なことが言われていますが、兎にも角にも、11月は波乱含みのスタートとなりました。
実は、この11月は少し特別な月になるかもしれないのです。
相場の格言「二日新甫は荒れる」
株式相場の格言に「二日新甫(しんぽ)は荒れる」というものがあります。この「新甫」とは商品取引所で、月が替わって新たに始まる相場を言いますが、株式相場では“月初め”を指すと言われています。
そして、この格言の意味は、“その月の1日が休日か祝日で、2日から市場が開かれる場合、その月の相場は荒れることが多い”ということです。
まさしく、この11月は2日(月)から相場が始まるので、この格言に従うと、今月の相場は荒れるということになります。ただ、「荒れる」というのは下落するということではなく、上下に値動きが激しいと考えるべきでしょう。
「二日新甫は荒れる」の根拠とは?
一般的に、相場の格言には科学的根拠が乏しいと言われています。この「二日新甫は荒れる」も同様です。
ただ、重要なニュースは金曜日の引け後に発表される場合が多い(つまり、市場では月曜日に反応する)、月初は新しい制度や規制が始まる場合が多い(特に年度替わり)、等の要因を考えると、あながち無視できないと言えましょう。
それどころか、2日の大幅反落を見ると、この相場格言を今一度噛みしめる必要があるかもしれません。
今の時代に適用させるのは若干難しいかも
一方、例えば、月初1日が土曜日に当たる場合、相場は3日から始まりますから「三日新甫」となります。では、三日新甫はどうなるのか?という疑問が出てきますね。
恐らく、この格言が生まれたのは、まだ土曜日も市場が開いていた時だと思われます。従って、三日新甫という概念がなかった可能性があります。
その意味では、今の時代に適用させるのは少し難しい格言なのかもしれません。ちなみに、11月1日が土曜日の場合、11月は“四日新甫”となります(3日が祝日のため)。
11月は重要イベントが少なくない
この相場格言の真偽はともかく、11月は郵政グループの上場、大手企業の決算発表、米国の雇用統計発表など、特に初旬で重要イベントが数多く控えています。株式市場の激しい値動きには注意が必要になるでしょう。
LIMO編集部