例年、1月中旬頃より順次「公的年金等の源泉徴収票」が送付されます。

封筒を見て「確定申告が必要なの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。

年金は原則として課税対象ですが、すべての人に確定申告が義務付けられているわけではありません。

実は、所得が一定以下であれば申告が不要となる「確定申告不要制度」が設けられています。

本記事では、年金受給者が確定申告を行うべきケースと不要なケースをわかりやすく解説します。

1. 年金受給者は確定申告が必要?確定申告不要制度の対象になる「2つの条件」

通常、公的年金等は「雑所得」として課税対象となっており、一定金額以上の所得を得ている場合は確定申告を行って税金の過不足を精算する必要があります。

しかし、年金受給者の確定申告手続きに伴う負担を減らすため、公的年金等に係る「確定申告不要制度」が設けられています。

確定申告不要制度の対象になるのは、以下の2つの条件を満たす場合です。

  • 公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下かつその公的年金等の全部が源泉徴収の対象
  • 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下

公的年金等を受給されている方の確定申告に関するフローチャート

公的年金等を受給されている方の確定申告に関するフローチャート

出所:国税庁「年金受給者の皆様へ」

なお「公的年金等」には、国民年金や厚生年金に加え、共済組合から支給を受ける老齢年金や恩給(普通恩給)などが含まれます。

「公的年金等に係る雑所得以外の所得」は、生命保険や共済などの契約に基づいて支給される個人年金、給与所得、生命保険の満期返戻金などが該当します。