スマホは台数ベースではダウンしているが、ハイエンドタイプへのシフトが進んでおり、センサー3個を使う製品も増えてきたことでこれもソニーには追い風となる。
車載向けでもソニーの技術はズバ抜けている。1億画素の製品も作り上げており、150℃の高熱にも耐えられ、DRAM搭載で高精細かつ超高速を成しとげ、LED信号のちらつきをもモノともしないという技術レベルは、まずもってサムスン、オムニビジョンなどの追随を許さないだろう。
レベル4以上の自動運転になれば1台の車に19個のCMOSイメージセンサーが積まれるわけで、車の年間出荷台数が約1億台であることを考えれば、車載向けもほぼ独占すると思われるソニー半導体の業績はまさに右肩上がりが予想されるのだ。
合計2兆円以上の設備投資は確実
ソニーはここ2~3年で6000億円の大型投資を断行している。
これまでの300mmウエハー10万枚の能力を13万枚以上に上げていくべく、山形テックの設備拡張を中核に長崎、熊本などでも増強が進んでいる。そしてUMCの傘下に入った旧富士通・三重工場にもファンドリーの委託生産を行っている。
この次のステップとして車載向けを中心にウエハー能力を20万枚まで上げていくわけだが、これには少なくとも1兆2000億円の投資が必要であり、結果的にはトータル2兆円を超える設備投資を断行することはまずもって間違いないだろう。
大型工場新立地となることは確実であり、各都道府県の企業誘致担当はにわかに色めき立っている。