2. 在職老齢年金、「基準引上げの影響」年金の繰下げ受給を選ぶ人は減っていく?

支給停止基準の引き上げによって、働きながらでも老齢厚生年金が減らされにくくなるため、65歳から受け取りを始める人が増える可能性があります。

一方で、「繰下げ受給を選ぶ人が減る」とは一概に言えません。繰下げ受給とは、65歳から受け取れる年金の開始時期を遅らせることで、1か月遅らせるごとに0.7%ずつ、最大84%まで年金額を増やせる制度です。

これは在職老齢年金とは別の仕組みであり、直接の関係はありません。

そのため、収入が高く支給停止基準を超える人や、将来の年金をより多くしたい人にとっては、今後も繰下げ受給が有力な選択肢の一つとなります。つまり、「繰下げを選ぶ人が一気に減る」とは言えず、働き方や生活設計によって選択は分かれると考えられます。