3. 【今年60歳になる還暦人】現段階の貯蓄金額「100万円未満」「3000万円以上」世帯割合
さらに、現段階の貯蓄金額が「100万円未満」の世帯と「3000万円以上」の世帯割合にも変化が見られます。
【還暦人】現段階の貯蓄金額が「100万円未満」・「3000万円以上」の人の割合
出所:プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険 (PGF生命)「2025年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」
2025年の「100万円未満」の世帯は全体の30.0%ですが、これは調査開始以来最も高い割合となっています。
「3000万円以上」の世帯は2018年から25%前後をキープしていましたが、2024年・2025年は20%未満に減少しています。
こういった傾向は、先の見えない価格高騰により貯蓄を取り崩さざるを得ない状況になっていることや、NISAを活用した「貯蓄から投資へ」の動きが影響していると、PGF生命は推測しています。
価格高騰が落ち着くことや、NISAに移行した資産が順調に運用され、将来的にまとまった利益が得られることが期待されます。
4. まとめ
今年還暦を迎える「還暦人」の2025年の平均貯蓄額は2460万円です。
しかし、貯蓄額の中央値が475万円であることから、平均より少ない人も多いことが考えられます。
平均貯蓄額は減少傾向にあり、2025年は調査開始以来最も低い水準となりました。
生活費が足りず貯蓄を繰り崩している場合、価格高騰が続く限り今後もこういった傾向が続くと予想されます。
65歳以降、主な収入が年金のみになるとさらに生活費にゆとりがなくなると考えられることから、無駄な支出をなくすことや資産形成について、改めて検討し直す必要があるでしょう。
参考資料
木内 菜穂子