寒い冬、ベビーカーに乗っている子どもが、何度履かせてもすぐに靴下を脱いでしまうから、仕方なくそのままにしていたら「こんな寒いのに裸足で…かわいそう」。「たまには子ども預けて飲みに行きたいな」なんて言ったら「私が子どもが小さいときは、そんなこと考えもしなかった。子どもより自分の気持優先なんて子どもがかわいそう」。
一見、子どものためを思っているように聞こえる「かわいそう」というひと言が、母親のストレスになってしまうのです。
ちょっとでも「疲れた」「もうしんどい」などと言おうものなら「じゃあなんで産んだの?」「あなたが望んだんでしょう? 無責任な」…。
母親は効率よく育児をしてはいけないのでしょうか? 少しでも自分の心と体が楽になるように…と思うことがそんなにいけないことなのでしょうか? 世の中には「そんなことしたら、言ったら赤ちゃんがかわいそう」という言葉に苦しめられている母親は数多くいるのです。
「子育てはしんどい」「できればもう少し楽をしたい」というのは本音。しかしその後に「でも、子どもが好きだから頑張れる」という思いがあるのが前提です。ベビーフードを購入したときに、外遊びができなかったときに「ごめんね」と胸が痛んでいるのが事実です。
「たまには飲みに行きたいな」「たまにはひとりで外出したいな」と思わず口に出しても「でも、今は無理だから、あと少し頑張ろう」と自分で自分を奮い立たせているのです。
しかし、「かわいそう」「無責任」と言っている人たちは、「愛情がない」「母性がない」と決めつけている。いくら反論しても聞く耳を持たない。これじゃあ母親は息が詰まってしまいます。
「かわいそう」「無責任」という言葉には耳をふさいで目を閉じて。できるだけストレスは少なめに子育てをしたいものです。
あなたの子どもは、世界一幸せなんです
もし、「子どもがかわいそう」「じゃあ産まなきゃよかったのに」なんて言う言葉を目にしたり、耳にしたりしたら、子どもを抱きしめてこう言ってみましょう。
「ねぇ、ママのこと好き?」
きっと子どもたちはこういうはず。「うん、大好き!」
もしくは、にっこりほほ笑んでくれるはず。ほら、あなたの子どもは、世界一大好きな人と一緒にいられる、世界一幸せな子どもなんです。
大中 千景