11月になり、少しずつ年末が近づいてきました。今年を振り返ると「年金に関するニュース」が多く取り上げられました。とりわけ6月に成立した年金制度の改正については、働くシニアを後押しする在職老齢年金の見直しや、私的年金の見直しでiDeCoの加入年齢の上限が引上げになるなど、今のシニア世代に関わる改正もありました。
そんな改正ポイントもふまえながら、今回は来月の年金支給日を前に「同年代のみんながいくらぐらい年金を受給するのか」《年金早見表》を用いて年金受給額について詳しく見ていきましょう。
1. 国民年金・厚生年金、しくみは2階建ての構造
公的年金は「2階建て構造」などと表現されます。
これは、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」、2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。
1.1 《1階部分》国民年金
- 加入対象者:原則として日本に住む20歳以上から60歳未満の全員
- 年金保険料:全員一律、ただし年度ごとに改定あり(2025年度月額:1万7510円)
- 受給額:保険料を40年間欠かさず納付すれば満額(2025年度月額:6万9308円)
1.2 《2階部分》厚生年金 ※国民年金に上乗せで加入
- 加入対象者:会社員や公務員、またパートなどで特定適用事業所(※1)に働き一定要件を満たした人
- 年金保険料:収入に応じて(上限あり)変わる(※2)
- 受給額:加入期間や納めた保険料により個人差あり
※1 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※2 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
国民年金には、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員が原則加入し、一律の年金保険料を納めます。
一方で厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料を納めるしくみです。
