3. 40・50歳代おひとりさまは手取りから何割を貯蓄してる?
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」によると、手取りから金融資産に振り分けている方の割合は、40歳代が41.2%、50歳代が36.1%です。
逆にいえば、40歳代の約59%と50歳代の約64%が貯蓄に回していないことになります。
貯蓄に回さなかった理由までは明らかにされていませんが、回したくても回せない状況にある方が少なくないと考えられます。
実際に「貯蓄に振り分けた」という方に、何割振り分けたのかを尋ねたところ、40歳代の平均は12%、50歳代は13%という結果となっています。
振り分け割合の詳細は以下の通りです。
【手取りから金融資産に振り分けた割合:40歳代/50歳代】
- 0%:12.4%/10.1%
- 5%未満:13.5%/6.3%
- 5~10%未満:27.0%/27.8%
- 10~15%未満:15.7%/24.1%
- 15~20%未満:2.2%/5.1%
- 20~25%未満:12.4%/8.9%
- 25~30%未満:2.2%/1.3%
- 30~35%未満:6.7%/5.1%
- 35%以上:7.9%/11.4%
40歳代では「5〜10%未満」の方が最も多く27%を占めており、50歳代では「5〜10%未満」が27.8%、「10〜15%未満」が24.1%と多くなっています。
一般的に、手取りから貯蓄に回す割合は2割程度が目安とされていることから、可能であれば、あと5%程貯蓄に回せるのが理想といえます。
特に、おひとりさまは老後資金を一人でまかなうことになるため、経済的な安心感を得るためには、貯蓄割合を増やすことがポイントになるでしょう。
4. まとめにかえて
おひとりさまの貯蓄額の平均値は、40歳代が 883万円で50歳代が1087万円ですが、実際にはこの金額よりも少ないと考えられます。
また、手取りから貯蓄に回す割合は12〜13%であり、老後の生活費を準備するためにはもう少し割合を増やしたいところです。
しかし、就職氷河期世代であるなど事情により貯蓄が難しいケースも少なくありません。
生活費を見直し不要な出費はないか洗い出したうえで、少しでも貯蓄を増やせる方法を考えてみましょう。
参考資料
木内 菜穂子