自民党の新総裁に高市早苗氏が選ばれました。高市新総裁はさまざまな政策を掲げて総裁選に臨みましたが、なかでも注目が集まったのが「給付付き税額控除」です。
給付付き税額控除は「逆進性」に有効とされます。具体的に、どういった点が強みになるのでしょうか。また、そもそもどういった政策なのでしょうか。この記事では、私たちの生活に直結する政策である「給付付き税額控除」を解説します。
1. 高市新総裁の注目政策「給付付き税額控除」とは?
給付付き税額控除は、給付と税控除を組み合わせた政策です。高市新総裁も、自身の中心政策のひとつとして以下のように明言しています。
【給付付き税額控除】
給付付き税額控除は私の持論だ。社会保険料の逆進性を考えると最もメリットがあり、中所得、低所得の方々を応援する方法だ。総裁が何もかも自分の政策を押しつけることはしないが、議論の課題として政務調査会長にお願いしたい。
給付付き税額控除はすぐできるものではない。制度設計をして対象をどうするか決め、所得の捕捉も必要で、システムも作らなければならず、数年単位かかるものであり、しっかり政調で議論してほしい。
一般的な仕組みは、所得税を一定額を減税し、引ききれない人にはその分を現金給付する形です。
たとえば、控除額を10万円と設定した場合、所得税の納税額が30万円の人は10万円が差し引かれて20万円を納税します。一方、所得税が8万円の人は納税額が0円になり、さらに差額の2万円が給付されます。もともと所得税を納めていない人には、控除額全額の10万円が給付されるという仕組みです。
給付付き税額控除は、立憲民主党も今夏の参議院選挙の政策として掲げていたことから、与野党で積極的に協議されるものと思われます。
次章では、給付付き税額控除が有効な理由を2点解説します。