血も、武器も、敵も、金一族を讃える文言も……

拉致事件にミサイル、核問題など、わが国にとっては厄介な問題続きの国といわざるをえないのが、北朝鮮。国内の様子も、脱北者、飢餓、高官や身内の処刑など、あまりいい噂は聞こえてきません。

その北朝鮮の国歌ですから、さぞや…と予想していたのですが、意外にも真逆。血も、武器も、敵も、指導者の金一族を讃える文言も、最後まで一言たりとも出てきません。

「愛国歌」
朝は輝け この山河
金銀も資源も 満ちあふれ
三千里 うるわしき わが祖国
半万年の 古き歴史に
燦爛たる文化もて 育まれた
秀でた人民の この栄光
身も心も捧げ この朝鮮
とわに守らん  

朝鮮音楽専門サイト「朝鮮労働党万歳!」より

「イムジン河」で知られる朴世永が作詞

かつて朝鮮戦争を戦った同じ民族の隣国、韓国の国歌も「愛国歌」ですが、曲も歌詞も異なる、全くの別曲です。

北朝鮮「愛国歌」は、建国の前年の1947年に作られました。依頼者は金日成という説もあります。作詞は、日本ではザ・フォーク・クルセダーズのアレンジで発売されたこともある「イムジン河」の作詞者である朴世永、作曲は金元均です。

北朝鮮国民の多くが、国歌を歌えない!?

創作の翌年である建国の年に事実上の国歌となりますが、正式に認められるのは1992年のようです。憲法に国歌として記載されています。