7. 年金制度の今、年金から何が天引きされる?
老齢年金からは、所得税や介護保険料などの各種税金や保険料が差し引かれます(※)。
このうち、所得税の基礎控除額が「令和7年度税制改正」で改定されました。
7.1 令和7年分の所得税の源泉徴収と還付イメージ
そのため2025年10月の年金支給時までは「改正前の所得税額」で源泉徴収をおこない、2025年12月の年金支給時に、「改正後の金額と改正前の金額の差額」が還付されることになっています。
※年金からの天引きとはならないケースもあります。
8. 年金制度の今、年金見込み額を把握して老後資金の備えをはじめよう
今回は、令和の年金事情について詳しく見てきました。記事内では、ライフコース別の年金額も紹介しました。今は、働き方も自由なため新卒で会社員として働いてもある程度経験を積んだ後は自営業やフリーランスとして働く方も珍しくありません。ただし、自営業やフリーランスは受け取れる年金が主に国民年金のみです。
国民年金の受給額は満額で月額69308円(※令和7年4月分(6月13日(金曜)支払分)からの年金額)のため、年金だけで日々の生活を送るには非常に厳しい金額となっています。
自営業やフリーランスの方はiDeCoやNISA、保険商品などを活用して老後資金をしっかり準備しておくことが大事でしょう。また、結婚や子育てを機に働き方をパートに変えたり、仕事を辞めて家庭に入った女性も年金額は少なくなりがちです。夫の年金があるからと安心せずに、しっかり老後資金を準備しておいた方が良いでしょう。
最後に、老後資金をどう準備するかを一人で計画を立てるのは意外と難しいものです。難しいなと感じた場合は、FPやIFAなどお金の専門家に相談するのも一案です。
参考資料
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 日本年金機構「国民年金の第3号被保険者制度のご説明」
- 日本年金機構「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
- 政府広報オンライン「年金の手続。国民年金の第3号被保険者のかたへ。」
鶴田 綾