秋が深まり、そろそろ厚手の服への本格的な衣替えの季節です。
特に10月は、学校の制服が冬物に切り替わるように、最高気温15℃以下の日が増え始めるタイミング。冬物への買い足しやクリーニングなど、何かと出費がかさむこの時期は、衣料品だけでなく生活費全般のやりくりを考える必要があります。
中でも収入が限られる年金生活者にとって、支出の管理や資産の置き場は常に急務です。その土台となるのが、「自分が将来受け取れる(あるいは現在受け取っている)年金の平均額」でしょう。
そこで今回は、最新の公的資料(令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況)をもとに、厚生年金と国民年金の平均受給額を、60歳代から90歳以上まで1歳刻みで詳細に確認していきます。ご自身の老後資金計画の参考としてください。
1. 【仕組みを解説】国民年金と厚生年金
はじめに、日本の公的年金の仕組みを確認します。
「年金」には公的年金と私的年金があり、さらに公的年金には「国民年金」と「厚生年金」があります。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
日本の公的年金は国民年金と厚生年金の2階建てになっています。そして、この上の部分として私的年金があります。
3階~4階部分として、企業年金やiDeCo、個人年金保険などを活用し備えを厚くする人もいます。
次章では最新資料より、公的年金の平均受給額を年齢別に見ていきましょう。