イオンのCMといえば
皆さん、イオン(8267)のテレビCMというと何を思い浮かべるでしょうか。
私は武井咲さんのCMで「♪20日、30日、5%OFF」というフレーズが耳に残っています。このおかげで給料日が近づくたびに、イオンの「お客さま感謝デー」を思い起こします。また蒼井優さんのイオンカードのCMも印象的です。
イオンの株価は2015年4月以降好調なパフォーマンス
では、イオンの株価はどう推移しているでしょうか。
次のグラフの青がイオン、赤がTOPIXですが、2015年4月以降イオンの株価はTOPIXを大きく上回って推移しています。その後も2つのグラフの差は開く一方です。何か新しいことが起きているように見えます。
イオンの株価の救世主は誰か
実はこのころ気になるCMがありました。東出昌大さん、忽那汐里さんが出演した、トップバリュ ピースフィット2015年春夏モデル「除湿インナー」のCMです。
実はその前年のCMについて賛否が分かれていたようです。そこで2015年にはタレントを起用してイメージを一新すると同時に、品揃えも大幅に拡充し、本格的な展開を目指しました。
トップバリュ再興なるか
イオンのトップバリュは、日本のプライベートブランドの代表格のひとつで、その歴史も長く、イオンも真剣に取り組んできました。
しかし、昨今は「高品質低価格」というよりも「一定品質低価格」と呼べるような路線に重きが置かれ、消費者に買い疲れ感が出ていたように思われます。
このため、イオンはこの春から改めて品質の訴求をきっちり行うようになりました。
先ほど取り上げたピースフィットのCMも、湿気の多くなる梅雨から夏にかけて快適に過ごすためのインナーという価値が訴求され、従来よりもブランドを感じさせる仕上がりになっていると思います。
イオンの不採算事業テコ入れに成果が見え始めている
株価上昇のきっかけは他にもあります。2015年4月には2015年2月期決算が経営強化策とともに発表されました。
ここで、赤字が続いたダイエーの再編を本格的に進めると同時に、不採算の総合小売事業の運営について本部から地域・個店へ権限を委譲する方針が示されました。
株価が堅調なのはこうした体質変化を好感しているのでしょう。今回お話したCMの裏側にある商品戦略とあわせ、今後の推移に注目したいと思います。
LIMO編集部