世界でたったひとりのパートナーなのだから、誰よりも自分のことを理解してほしい、かゆいところに手が届くような応対をしてほしい、と思ってしまっているのかもしれません。
自分で勝手に「相手がこうしてくれたらいいな」「相手がこういってくれたらいいな」なんて思っておいて、その通りにならなければガッカリしてしまう。こんな考え方は自分のことも相手のことも苦しめてしまいます。
「あの人に期待するだけムダだから…」そう言う前に、自分の「期待」をふりかえってみて。もしかしたら「期待」と言う名前を都合よく使って、自分の価値観を相手に押し付けているかもしれません。
「あきらめる」とは、場合によっては決してネガティブな行為ではない、と筆者は考えます。相手の性格や習慣を、「ま、仕方ないか」と受け入れることで、相手の価値観をも受け入れることになる。つまり、相手の生き方を、価値観を受け入れること。
たとえば自分にとって欠点だとしか思えなかったパートナーの性格や習慣も、見方によれば「個性」になることもある。
「この人はこういう人だから仕方ない、そして、何よりそんなこの人と結婚したい、と思ったのだから」と考えれば、よりよい夫婦生活を過ごせるのではないでしょうか。
「ま、いっか」は魔法の言葉
自分勝手に期待して、自分勝手に裏切られ、自分勝手に傷つく。これって一番報われないしんどいパターンだと思うのです。期待してガッカリした…と感じたときには心の中で「ま、いっか」と呟いてみましょう。すっと心が軽くなるはずです。
あきらめや我慢がネガティブな影響ばかり与えてしまうとは限りません。ときに、夫婦円満のカギとなる良い効果をもたらしてくれることもあるのです。
大中 千景