秋風が心地よい季節になった10月、先日は今年5回目の年金支給日がありました。次回は今年最後で12月15日(月)の支給となります。そんな年金支給日と同じ日に、対象者になるともらえる給付金があるのはご存知でしょうか。それは年金生活者支援給付金です。

老齢基礎年金の受給者が一定の所得要件などを満たせば、年金額に上乗せして受け取れる公的な給付金で、2025年度は基準額が月5450円に増額されました。 特に所得が下がったことなどにより新たに給付対象となった人には、9月1日以降、順次「請求書(はがき型)」が届いています。

今回は、この給付金の中でも特に高齢者世帯と関わりの深い「老齢年金生活者支援給付金」に焦点を当て、支給要件、給付額、2025年度から可能になった電子申請などの最新情報を分かりやすく解説します。

1. 年金生活者支援給付金、対象者になると年金に上乗せしてもらえる

「年金生活者支援給付金」は、基礎年金の受給者が一定の所得要件などを満たす場合、年金額に上乗せして受け取ることができる給付金です。

受給中の年金種類に応じて、それぞれの給付金が設けられています。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

すでに基礎年金を受給中の人が、所得が下がったことなどにより新たに「年金生活者支援給付金」の対象となった場合、例年9月の第1営業日(2025は年9月1日)以降順次、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が緑色の封筒で届きます。

※老齢年金を繰上げ受給中の人には、別の様式で届きます。

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金」

 

なお、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた場合電子申請による請求書の提出も可能です。

スマートフォン(またはPC)とマイナンバーカードにより電子申請で提出した場合、郵送での提出は不要となります。

2. 老齢年金生活者支援給付金、対象者になるための「3つの要件」とは

今回は3種類ある年金生活者支援給付金のうち、高齢者世帯の暮らしと関わりが深い「老齢年金生活者支援給付金」について、情報を整理していきます。

2.1 老齢年金生活者支援給付金【支給要件を見る】

以下の3つの要件をすべて満たす場合、老齢年金生活者支援給付金の支給対象となります。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は90万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は90万6700円以下(※)である

なお、老齢年金生活者支援給付金の判定基準に、障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まれません。

※昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

3. 老齢年金生活者支援給付金、基準月額5450円で年間最大約6万円!

年金生活者支援給付金の金額は、物価変動率を踏まえ年度ごとに改定されるルールがあります。

これにより、2025年度分については、前年度から「+2.7%」となりました。

老齢年金生活者支援給付金:2025年度の給付基準額:5450円(月額)

老齢年金生活者支援給付金の実際の給付額は、月額5450円を基準額(2025年度)とし、保険料納付済期間等に応じて決定します。

なお、厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、2024年3月における老齢年金生活者支援給付金の平均給付月額(※)は4014円でした。

※2024年3月において認定されている平均給付金額

3.1 年金生活者支援給付金の支給日:原則「偶数月の15日」

「年金生活者支援給付金」は、年金と同じく年6回、偶数月の15日に支払われます(※15日が土日・祝日の場合は、その直前の平日に前倒し)

年金とは別に、同じ口座に同じ日に振り込まれるため、通帳には2つの振込記録が記載されます。

原則として、各支払月にはその前月までの2カ月分がまとめて支払われます。例えば、10月には8月・9月分、12月には10月・11月分、といった具合です。

4. 国民年金・厚生年金、平均年金月額の一覧「みんなのもらえる平均はいくら?」

公的年金の本体を、今のシニアはどの程度受給できているのでしょうか。

厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、国民年金と厚生年金の平均年金月額を、男女全体・男女別に見ていきます。

4.1 国民年金・厚生年金の平均年金月額《全体・男女別》

平均月額は国民年金(老齢基礎年金)が5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)が14万円台です。

4.2 国民年金

  • 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

4.3 厚生年金(※国民年金月額を含む)

  • 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

現役時代の働き方・過ごし方による年金加入履歴の差が、グラフが示すように老後の年金額の男女差・個人差として反映されています。

5. まとめにかえて

今回は、老齢年金生活者支援給付金の概要、2025年度の給付額、そして申請手続きについて詳しく見てきました。 この給付金は、老齢基礎年金受給者で所得要件を満たす人が、年金額に上乗せして受け取れる公的な支援策です。

2025年度の基準額は月5450円に増額されていますが、重要なのは「申請しないともらえない」という点です。 新たに給付対象となった人には請求書が届いているはずですが、郵送だけでなく、今年から電子申請も可能になり、手続きの利便性が向上しました。

ご自身の老後の生活を支えるため、請求手続きを忘れず行い、給付金を受け取りましょう。 公的年金は生活の土台となりますが、平均受給額を見ても「これだけで安心」とは言い難い時代です。 年金生活者支援給付金のような公的支援をしっかり活用しつつ、早めに老後への準備を始めることが、将来の「安心」に繋がるということを、ぜひこの機会に再認識していただければ幸いです。

参考資料