3. 高齢者世帯の娯楽費予算の立て方

節約は重要とはいえ、高齢期において節約だけを気にするのはストレスになります。お金を使わずに家に閉じこもると、生活を楽しめないのはもちろん、かえって心身の健康を損なうリスクが高まります。

自由な時間が増えたにも関わらず、自分のやりたいことができないと、充実した老後生活を送るのは難しいでしょう。普段の生活を楽しむためにも、娯楽費を確保することをおすすめします。

家計管理をきちんと行い、予算を立てて計画的に使う娯楽費は、決して「無駄遣い」ではありません。

むしろ、人生を豊かにし、心身の健康を維持するために欠かせません。

実践的な予算の立て方としては、「基礎生活費」は公的年金でまかない、娯楽費はこれまで蓄えた資産を取り崩す」という方法です。

際限なく娯楽費に充てると資産が枯渇してしまうため、平均余命と照らし合わせて「毎年〇万円は自由に使える」と逆算してみましょう。

「贅沢かもしれない」「もったいない」という気持ちが湧くこともあるかもしれませんが、予算内での娯楽費は計画的な支出であり、罪悪感を持つ必要はまったくありません。

人生100年時代、長い老後を楽しく充実して過ごすために、計画的な娯楽費の確保は欠かせない視点です。

4. まとめにかえて

老後の家計管理では、節約だけに注目するのではなく、計画的な娯楽費の確保が重要です。

基礎生活費は年金でまかない、娯楽費は蓄えた資産から取り崩すという方法がおすすめです。

平均余命から逆算して「毎年使える金額」を決めれば、罪悪感なく楽しめます。

お金を使わず家に閉じこもると心身の健康を損なうリスクもあります。予算内での娯楽費は無駄遣いではなく、人生を豊かにするための「必要経費」ととらえましょう。

参考資料

柴田 充輝