高齢世帯の姿は大きく変化しており、厚生労働省の調査によると「おひとりさま世帯」が最も多くなりました。

家族と暮らすのが当たり前だった時代から一転し、「おひとりさま」で老後を迎える人が増えています。そんななか、70歳代単身世帯の貯蓄額を見る限り、決してゆとりがあるとは言えません。

さらに年金額も男女差や個人差が大きく、物価上昇や医療費の増大を踏まえると、老後の生活設計はますます重要になります。

本記事では、おひとりさまシニアの貯蓄額や年金の平均受給額を整理し、人生100年時代に備えるための視点をお届けします。

1. 65歳以上の「おひとりさま世帯」が最多、全体の32.7%に

厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、高齢世帯の構成に大きな変化が見られます。

かつて主流だった「三世代世帯」は減少を続ける一方で、「単身世帯」は増加傾向にあり、以下のような割合となっています。

  • 単身世帯:32.7%
  • 夫婦のみ世帯:31.8%
  • 親と未婚の子のみの世帯:20.4%
  • 三世代世帯:6.3%
  • その他の世帯:8.8%

単身世帯の割合は32.7%と、全体でもっとも多く、「夫婦のみ世帯」を上回る結果となりました。

この背景には、配偶者との死別や離婚、未婚率の上昇、子どもと別居するライフスタイルの定着など、家族のあり方の多様化があると考えられます。