4. 【65歳以上70歳未満】働きながら年金を受け取る場合は知っておきたい「在職老齢年金」
在職老齢年金は、年金を受け取りながら厚生年金に加入して働く場合、年金と給与の合計額によって支給が調整される仕組みです。
働いて収入が多い方は、年金が一部全額支給停止されることがあります。
在職老齢年金は、年金額(基本月額)と給与(総報酬月額相当額)の合計によって調整する制度です。
在職老齢年金では、下記が基準です。
- 基本月額と総報酬月額相当額との合計が51万円※以下の場合:全額支給
- 基本月額と総報酬月額相当額との合計が51万円※を超える場合:基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-51万円※)÷2
※令和7年度の支給停止調整額
年金と給与の合計が上記の額を超えると、超えた分の半分が老齢厚生年金から減額されます。
調整の対象となるのは「老齢厚生年金」で、老齢基礎年金は減額されません。
5. まとめにかえて
年金額は世代や働き方によって差があり、物価や賃金の動きに合わせて改定も行われます。
将来の生活を安心して迎えるためにも、ねんきん定期便やねんきんネットで自分の年金額を把握しておきましょう。
必要に応じて貯蓄や私的年金での備えも大切です。
参考資料
- 総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)8月分(2025年9月19日公表)」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
円城 美由紀