6. 「繰下げ受給」ってお得なの?増額イメージを図表で見る

繰下げ受給の増額イメージ

【グラフで分かる】繰下げ受給の増額イメージ

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」をもとに筆者作成

老齢年金の受給開始を「繰下げ受給」のしくみを使って後ろ倒しすると、繰下げた月数に応じて年金額が増えます。

繰下げ受給の増額率は、以下の計算式で表すことができます。

増額率(最大84%※1) = 0.7% × 65歳に達した月※2から繰下げ申出月の前月までの月数※3

※1 昭和27年4月1日以前生まれの方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳(権利が発生してから5年後)までとなるため増額率は最大で42%となる
※2 年齢の計算は「年齢計算に関する法律」に基づいて行われ、65歳に達した日は、65歳の誕生日の前日になる
※3 65歳以後に年金を受け取る権利が発生した場合は、年金を受け取る権利が発生した月から繰下げ申出月の前月までの月数で計算される

繰下げタイミングの上限となる「75歳0か月」で受給した場合、増額率は84.0%です。

繰下げは「長生きする自信がある」「退職後も収入がある」「貯蓄に余裕がある」人に向いています。

反対に「生活資金が厳しい」「健康に不安がある」などの場合は慎重に検討しましょう。

7. 老後に備える第一歩!公的年金を理解して資産形成を始めよう

この記事では、公的年金制度の仕組みや平均受給額など、年金にまつわる内容を一通り確認しました。

老後の生活を支える柱となる公的年金。まずは制度を理解することが第一歩です。

ただし、将来受け取れる年金額は人によって異なります。もし生活費と年金額に差があれば、その分は貯蓄を取り崩すことになります。だからこそ、現役世代のうちにどれだけ資産を準備できるかが重要なポイントです。

収入がある現役時代こそ、資産形成を始めるチャンス。少額でも構いません。まずは一歩を踏み出して、将来に備えていきましょう。

参考資料