長かった夏も終わり、過ごしやすい気候となる2025年9月は、家計や将来設計を見直すのに最適な季節と言えます。その中で、多くの人が最も関心を寄せるテーマの一つが、老後の生活を支える公的年金でしょう。

公的年金は、物価や賃金の変動を反映し、毎年度支給額が改定されます。2025年度についても、前年度と比較して1.9%増額改定されました。この増額改定は、受給額の具体例を知ることで、今後のライフプランニングの大きな指標となります。

しかし、単に支給額の例を知るだけでなく、日本の公的年金制度がどのような仕組みで成り立っているのか、また、ご自身の世代や働き方によって将来の受給額がどのように変わるのかを理解しておくことは非常に重要です。

本記事では、2025年度の改定額の具体例を皮切りに、国民年金と厚生年金の「2階建て構造」という基本から解説します。

1. 【2025年度】公的年金は前年度と比較して「1.9%」の増額改定

公的年金の支給額は、物価や賃金の動きを踏まえて毎年度改定がされています。

2025年度は2024年度に比べて1.9%の引き上げが行われました。

1.1 2025年度における「国民年金と厚生年金」の年金額例はいくら?

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額))(※1):6万9308円
  • 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(※2)

※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※2 厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

1.2 【年金支給日カレンダー】2025年度の年金はいつからもらえる?

公的年金は「偶数月の15日」に支給されます(土日にあたる場合は直前の平日に前倒し)。

支給内容は前月までの2か月分をまとめて受け取る仕組みのため、2025年度改定後の年金は、6月の支給(4月分・5月分)から反映されます。

参考として、2025年の年金支給日カレンダーは以下のとおりです。

【一覧表】2025年 年金支給日カレンダー

【一覧表】2025年の年金支給日カレンダー

出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」などをもとにLIMO編集部作成